2014-10-31

成蔵 (ナリクラ) とんかつ@新宿区高田馬場 その2

エリシュカ、東京芸術劇場のまえの夕飯は、池袋の手前の高田馬場、成蔵 (ナリクラ)にいたしました。
まだ、初喰いから、1ヶ月たってないけれど、前回の衝撃的美味しさが忘れられません。

混むだろうと、開店20分前に並ぶ。先着は、1名だけ、もしかしたら、過剰反応だったかもだが、それなりに、行列にはなる。

余裕で、第1陣で入店。

わたし、dinner timeということで、沖縄ラグー・シャ豚ブリアン定食3700円。奥さん、もっと上等なの頼んでよというわたしの懇願を無視して、豚チーズ・ミルフィーユ定食1470円(これが食べたいのと、いうことききません)。で、食事と一緒に生ビールを注文。

さて、沖縄ラグー・シャ豚ブリアンですが、前回の霜降高原シャ豚ブリアンに較べ、より高級、上品系のテイストでした。私としては、ジビエ系のあくの強さを期待していたので、肩すかし。まぁ、値段が高いのに、えぐみで勝負は、難度が高いよね。しょうがないなぁ。涙。

奥さんのチーズ・ミルフィーユは、思惑どうり、豚とチーズの包み揚げな感じで、お気に入り、大満足みたいでした。

まぁ、値段だけでは、うまいこといかない、好みはまた別ということです。〆て、6000円ちょっと。どう考えても、とんかつ的には、高いよなぁ。凹。

2014-10-30

エリシュカ、川村尚子 読売交響楽団  新世界ほか@東京芸術劇場

ラドミル・エリシュカが、東京で振ると知り、待ってましたということで、チケットを入手、今日行ってまいりました。

少し前までは、オペラ見物にしか行かない状態が、20年ほど続いていたので、チェコ方面については、ヴァーツラフ・ノイマンの実演を聴き逃したという、極めて、極めて大きな後悔があります。

いま、ネットで調べたら、1984年12月N響定期Bプロで、ノイマンのマーラーの交響曲第3番という、夢のような組み合わせの名演があったらしい。ノイマン、マーラー、第3番、どうして、これを聴き逃しちゃうのか、おバカさんにもほどがあるってもんです。

と、このようなトラウマをかかえておりますので、エリシュカは、どうしても、聴いてみたかったわけです。

エリュシカについては、情報弱者のため、2年ほど前に、初めて知りました。なんでも、チェコのしられざる大物で、80歳をすぎて、初来日、皆さんの度肝を抜いたんだとか。
今は、札響とのドヴォルザークのCDが、5番から9番まで出ているけれど、来日した時点では、国外ではあまり知られていないようで、死ぬまでにドヴォルザークの交響曲、後期だけでも、録音したいと言っているのを、読んだ記憶があります。

今回は、読響に初登場、ドヴォルザークの新世界と、近頃、大活躍中の河村尚子さんと、モーツァルトのピアノコンチェルト第21番をやるという、興味津々の組合せ。怖いもの見たさ?のドキドキも混じって、大変、楽しみなコンサートであります。

前半は、スメタナの売られた花嫁序曲でスタート、読響も気合いが入っているみたいで、アインザッツばっちり、清々しいほどきっちりあったアンサンブルで、いっきに、聴かせる。
ま、名刺がわりの、一品ということみたい。

次にお待ちかねの、モーツアルトの21番、エリュシカのおっとりめのバックアップに、河村尚子が、若々しく動き廻る感じ。

ただ、モーツァルト(特に、ピアノ協奏曲は大好物なので)だと、どうしても、ジジイ特有の小舅根性がでて、厳しめのチェックをいれがちになる。

河村さん、この音質だと、モーツァルトは厳しいかも。もう少し、突き抜けた透明感が欲しい。それに、音がもうすこし重力にさからって、迅速に駆け抜けて行ってくれないと、音が感情に追いつかれてしまいがちになる。

そんなわけで、演奏に河村さんの思考というか、解釈というか、夾雑物が付着しているみたいな気がして、モーツァルトに没入できないもどかしさを感じてしまいました。

カデンツァは、よく聴くやつではなく、自作か?。もしかしたら本体でも、少しだけ装飾音を加えたところが一部だけだがあったかも、これは、ぜんぜん不確かで、誤解かな(普段あまり聞こえてこない左手の内声が、ときどき目立ったせいかも)。

盛大な拍手をあびて、アンコールは、ソナタ第12番Fmajor.K332の第3楽章でした。

後半は、いよいよ、御大の新世界。ライブの新世界って、いつごろ聞いたっけ、というほど、憶えがないので、読売交響楽団の気合の入った演奏に、感心する。

ただ、曲が曲なので(新世界って、のりがよくて、わかりやすい、いかにも名曲だなぁとは、思いましたヨ。若いころはよく、ケルテス、ウィーン・フィルなんかを、しみじみ、きいておりましたです)、一定以上には気分が盛り上がらない、というのが、正直なところ。エリシュカの演奏は、鄙びた地方色というより、かなり、まともに、すっきりと、歌いあげる趣で、正統派な感じでございました。

あと、東京芸術劇場の音響のせいなのか、読響の低声部に、もう少し厚みがあればなぁ、とかは思いました。全力投球、弦なんか、凄い精度で、渾身の演奏という感じで、良かったんですが。

聴衆、大拍手。ラドミル・エリシュカも満足そうで、弦の面々を讃えておりましたです。

アンコールはスラブ舞曲OP72-2、これが、なんと、超絶の美演でした。お口、あんぐり、です。これを聴けただけで、今日は、大満足、という感じでございました。吉。

2014-10-27

オット イタリアン@所沢 その10

ドン・ジョバンニのあと、カーテンコールもそこそこに、夫婦でオットにむかう。

みちみち、ドン・ジョバンニが望外によかったので、ニコニコであります。
予定より、1時間遅れで、到着しました。(当然、telはしたからね)

日曜なので、個室を含め、店内は若いカップルで満員。サービスのチーフ、 遅れてくれて、たすかりましたとのこと。6時スタート時は、バタバタ、だったようです。所沢、夜が早いらしい。

駆けつけ、1杯で、しろ(妻) とスプマンテ。

ゆでた落花生 自家製ポテトチップス
燻製モッツァレラのブルスケッタ
でんすけアナゴのフリット  ソースうま(ういきょう、トスティロ?、たまごの)
フォアグラのブリュレ と いちじく
サフラン風味の焼きリゾット ポルチーニ、ジロールダケのスライスそえ
まつたけ、オマールエビ、万願寺とうがらしのスパゲッティ
トルティーリャをまいた牛フィレのポワレ

モンブラン マカロン ほうずき

赤ボトル
M.MARENGO NEBBIOLO D'ALBA VALMAGGIORE   ANNATA 2011
まだ若いけれどと、チーフが勧めてくれた。タンニンがきっちりあって、すっきりと、おいしい 。

しめて、29000円じゃく。今回は、オットの平均レベル、ていうとこか。秋の食材いろいろだったが、飛びぬけたものはなかったかも。ワインが一番印象的だったかな。ごちそうさま。


うちで、調べたら、こんなPRをみつけたゾ。ワイン、お高くないけど、いいものみたい。

ネッビオーロ・ダルバ・“ヴァルマッジョーレ” マリオ・マレンゴ家元詰・DOCネッビオーロ・ダルバ
Nebbiolo d'Alba “Valmaggiore” M.MARENGO
入手困難!イタリア ピエモンテ フルボディ赤ワイン愛好家大注目!
超希少!年産わずか3000本のみ!の究極ネッビオーロ・ダルバ!
ロバート・パーカー4つ星生産者で、各ワイン誌大絶賛!
マリオ・マレンゴ家による、ヴェッツァ・ダルバに位置する、
わずか0.38haの、しかも100%南向きのクリュ“ヴァルマッジョーレ”から造られるネッビオーロを
フレンチオーク樽で驚異の18ヵ月熟成(新樽30%)!!
エリオ・アルターレが「バローロで最も素晴らしい畑」と評価するマリオ・マレンゴのバローロ!
その片鱗を物語らせる究極のネッビオーロダルバ!
マリオ・マレンゴは素晴らしい畑を所有しているだけでなく、
ブルナーテからドルチェットまで畑仕事からボトリングまで一切妥協しないワインつくりをしているということが納得できる究極の逸品!!


『私が知っている中で間違いなく最高の畑だ』これは今やバローロを代表する造り手となったエリオ・アルターレの言葉。

ラ・モッラの最大の長所である繊細さを最も高いレベルで表現することが可能なのはラ・モッラの中でも限られた畑であり、そのもっとも重要な畑がブルナーテである。

しっかりとした骨格、構成を持ちながらも、(勿論若いうちはネッビオーロらしい豊富なタンニンと酸に隠れているが)ほかに代替のない、
まさにテロワールでしか説明がつかない繊細さを持っている畑、ブルナーテ。
しかし、マレンゴの所有するわずか1.5haの真南を向いたブルナーテから産まれるワインは
更に芳醇な味わい、ふくよかで魅惑的な余韻をも持ち合わせている。
コート・ド・ニュイのワインで稀に味わうことが出来る、どこまでも丸く、溶けるような甘味と
それを支える凛とした酸の調和は出会えることの少ない貴重な個性だと言えるのではないだろうか。
少し時間は必要だか時間と共にその本来のポテンシャルを感じさせてくれるであろうマリオ・マレンゴのバローロは
ある意味イタリア最高峰のワインに育ってきたと言って良いと思う。

マリオ・マレンゴは1899年からボトリングを開始。現在でも総計3.5haという僅かな所有畑から
ブルナーテ(1.5ha・5,000本)を中心にブリッコ・ヴィオーレ(0.38ha・年産2,800本)と
1940年に植樹された70年以上の樹齢を誇る貴重なワインであるヴェッキア・ヴィーニュ・ブルナーテ(0.38ha・年産1,000本)の3種の単一バローロに加えて
1999年に植樹されたバローロ(0.45ha・年産3,000本)も造っている。

全ての畑はラ・モッラに位置していて畑名の入っていないバローロでさえも非常に優れた区画に位置している。
また、忘れて欲しくないのがVezza d'Aldbaに位置するクリュ、ヴァルマッジョーレから造られるネッビオーロ・ダルバ・ヴァルマッジョーレ(0.38ha・3,000本)。
バローロに比べればシンプルな仕上がりだが奥に味わいの深さを持っている。
更にはCastiglione Fallettoに位置する畑から産するバルベーラ・ダルバ・プニャーネ(0.45ha・3,800本)はネッビオーロにも通ずる繊細さを持つ。
1955年に植樹された55年樹のドルチェット・ダルバ(0.15ha・1,500本)に関しても
粗野な印象は全くなくシルキーで柔らかい完成度の高いワインに仕上がっていること。
試してもらえばマリオ・マレンゴは素晴らしい畑を所有しているだけでなく
ブルナーテからドルチェットまで、畑仕事からボトリングまで一切妥協のないワイン造りをしていることが理解いただけるはず。

畑はできる限り薬品に頼らない葡萄樹の育成に努めていて、防虫剤や防カビ剤は基本的には使わない。
全ての畑で除草剤も使わず、雑草との共存によって葡萄樹は生育に必要な栄養素及び水分を求め、まっすぐ地中深く根を伸ばすことになる。
葡萄樹が若い場合や化学肥料に慣れている葡萄樹は雑草との競争に敗れてしまうこともあるそうだが、
マレンゴの畑ではその樹齢の高さと長年の自然な畑環境に順応している為、
葡萄根は地中15m以上まで根を伸ばし、色々な地層からの栄養を吸収することとなるという。
近年の温暖化に対してもこの深い根は役立っていて暑く乾燥した夏も地中深くの水分を吸収することができ
灌漑の必要も全くない。もう一つの利点は必然的に収穫量は減ること。
房数は減り、より凝縮した健全で強い葡萄の収穫が可能になると言う。
3代に渡って受け継がれているマレンゴ家のワイン造りへの拘りは2001年にマリオ氏が亡くなったのを機に息子であるマルコ氏に引き継がれた。
『ラ・モッラ村にしか表現できないバローロのエレガンスを大切にしたい』更に『何も変える必要はない。ただ毎日畑をケアしてあげることが大切。』と語る。
(ネット販売の宣伝紹介記事なので、なくなる恐れがあるからと、不法にコピペしたんですが。まずいんでしょうなぁ)

だと。よくわからんが、スゴソーでしょ。

2014-10-26

ドン・ジョヴァンニ @NNTT

お昼に慎でうどんを食したあと、新国立のドン・ジョバンニにいく。

モーツァルトのオペラは、もう、10年以上、いっていない。
若かりし頃は、小林秀雄にいれあげた挙句、増長して、モーツァルティアンをきどる。
LP片面より長い交響曲など時間の無駄とか、痛い言動を繰り返す。
などなど、なかなかにこっぱずかしい惨状を呈していたのでありました。

そんな訳で、その頃、盛んになりつつあった、オペラ劇場の来日公演も、ほぼ、モーツァルトにしかいっておりません。
若手ばりばりだったカルロス・クライバーの初来日、バイエルンの「魔弾の射手」も、なに、それ、ウェーバーとかありえん、てなもんで、華麗にスルーしたという、残念な歴史を背負っております。

そのご、一般大衆の群れにまじって、シューベルトとか、シューマンとか、ブラームスなどに迷い、定番のブルクナー、マーラーに流れ着くという、よくあるパターンにはまります。

オペラも、ミラノ・スカラの初来日時、アッバードのシモン・ボッカネグラに徹底的に粉砕され、やっぱり、オペラはイタリアだよね、とかいうことになりました。

で、とんと、モーツァルトのオペラには、ご無沙汰ということになります。

今回、なんとはなしに、モーツァルトにも行ってみようか、ということでドン・ジョバンニ。お久しぶりのご対面という訳であります。

【指揮】ラルフ・ヴァイケルト
【演出】グリシャ・アサガロフ
【美術・衣裳】ルイジ・ペーレゴ
【照明】マーティン・ゲップハルト

【ドン・ジョヴァンニ】アドリアン・エレート
【騎士長】妻屋秀和、
【レポレッロ】マルコ・ヴィンコ
【ドンナ・アンナ】カルメラ・レミージョ
【ドン・オッターヴィオ】パオロ・ファナーレ
【ドンナ・エルヴィーラ】アガ・ミコライ
【マゼット】町 英和
【ツェルリーナ】鷲尾麻衣

【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団


劇場に行ったら、レポレッロ役で出演予定のロレンツォ・レガッツォは、芸術上の理由により出演できなくなりました。代演はマルコ・ヴィンコ。と張り紙。

体調不良でなく、芸術上の理由だそうで、謎であります。まあ、どちらも知らないので、問題はないんだが。

いつもどうり、パンフレットを買い込み、眺めていると、今度の上演は、ロベルト・デ・シモーネから、グリシャ・アサガロフ演出にかわって、3度目になるという、安定の演目らしい。

グリシャ・アサガロフって、聞いたことないが、「ドイツ語圏での制作では評論家に現代的演出を期待されてしまうが、日本では古典的で作品に忠実な演出がしやすくなる」などという、身も蓋もないことを堂々とおっしゃっていて、期待がたかまる。

場所をスペインからヴェネチアにかえたのは、ドン・ジョバンニ=カザノヴァ(ダ・ポンテの友人)を前提にしたかったとか。まぁ、ありげな解釈だが、説得力はあるよね。

で、ドンナ・アンナとドン・ジョヴァンニは、どこまでいったか、という、例のお話については、当然、最後まで、というお立場だそうです。

いよいよ、序曲が始まる。と同時に、幕が上がって、ドン・ジョヴァンニがゴンドラで、騎士長宅に乗りつける。

ドン・ジョヴァンニ序曲、のっけから、凄い気合い。こいつは、ドラマ・ジョコーゾなんだと、おもい知る。ヴァイケルトの指揮すげぇ、無駄に年喰ってない。

で、ドン・ジョヴァンニが、屋敷から逃げ出してきて、ドンナ・アンナに追いつかれ、なじられながら、ドンナ・アンナを抱きしめようとする。と、ドンナ・アンナの腕がドン・ジョヴァンニの首にうっとりまきつく、そこで、騎士長が、長剣をさげ、登場となる。

ここまで、明々白々の演出は珍しいのでは、スゲェ、おもしろい。グリシャ・アサガロフの演出、最後の幕切れまで、ホント、楽しめました。グッド・ジョブであります。

ドンナ・アンナのカルメラ・レミージョ、よかったー。いい声。普通なら、ドンナ・エルヴィーラに喰われがちなヒロインですが、もう、真正、プリマドンナでありました。

ドンナ・エルヴィーラのアガ・ミコライも、粘着質の哀れを誘う役柄をみごとに歌い、演じ、涙を誘う。

パオロ・ファナーレも、ドン・オッターヴィオのレジェーロぶりを、いかんなく発揮。いい声だぁー。

レポレッロのマルコ・ヴィンコも、代役で大張りきり、ドン・ジョヴァンニに憧れているレポレッロの心の内をみごとに演じておりました。

ツェルリーナの鷲尾麻衣もなかなかよかったんではないでしょうか。こういう薬を持っている女の子に、男(マゼット)が抵抗できないのは、当然と、モーツァルトの音楽のなまなましい力をしめしてくれました。

マゼットの町 英和さん、水準を落とさない働きはしていたんでしょう。まぁ、マゼットは、ヴェニスの下町の庶民より、スペインの農村のイナカッペがどうしても似合うので、演出の関係で、不利かもです。

騎士長の妻屋秀和さん、いろいろな演目で、安定の実力発揮、いつみても、安心ですが、ドン・ジョヴァンニの場合、幕切れの地獄落ちの声(立派でしたが)には、もっと、もっと、血も凍るような凄味がほしいと、望外の感が少ししました。

で、タイトル・ロールのドン・ジョヴァンニ、アドリアン・エレートですが、悪いというんではないですが、ドン・ジョバンニ=カザノヴァということなので、不屈の自由人、としての、精神力みたいなものをあらわすには、少し、声に魔力が足りないと思いました。これも、望外かもしれません。

ドン・ジョバンニ地獄落ち、そのあとのフィナーレは、普通、つけたりの幕切れっぽい、感じが漂います。

が、今回は、ドン・ジョバンニがいなくなった後の世界、
ドンナ・エルヴィーラはドン・ジョバンニの形見の服をだきしめ、
ドンナ・アンナも襲われた時ドン・ジョバンニがつけていたマスクを胸にかかえる(と、私には思えたが、そうだよね)。
で、レポレッロは自分の神さま=ドン・ジョバンニのカタログを、地面にそっと置いて、ああ、お別れだ、と歌うのである。
いっぽう、ツェルリーナとマゼットだけは、明るい明日を、天真爛漫に喜んでいる。

すんばらしい演出でありました。グリシャ・アサガロフさん。ありがとう。

それにしても、久しぶりの、モーツァルト。オペラとして、あまりのクオリティの高さに、度肝を抜かれました。1幕も2幕も、音の最初の出だしから、幕切れまで、奔流のように駆けていく。そして、なまなましい感情が、どんな旋律にもこもっていて、無駄なところがない。切れば、血が飛び散りそう。でも、音楽は、やたら、美しい。モーツァルトって、こんなに、すざましい音楽だったっけ。

2014-10-22

鮨 裕(ゆたか)@茅ヶ崎 その11

鮨 裕(ゆたか)で、おひる。ひとりでいくのは、ひさしぶりか。
本当は、先週いくつもりだったんだが、
巨大台風来襲で、すしだね、ないよね、(やはり、駄目だった、様です。)ということで、今日に延期となりました。

親方に、ポルトガル・ギターのデビュー演奏会どうでした、ときくと、
なんとか、終わりました、と、ニコニコ。

つまみ
わかめ
たい
しめさば  まつわ
大西洋まぐろ あかみ
あかがい

にぎり ひとつ
はまぐり  この前たべたはまぐり、凄い旨かったけれど、ときくと、なんとか?という、めずらしい奴です、とのこと。今日は違いますけど、仕込みは、似た感じにしたので、最初に、と、だしてくれた。なかなか、うまい。
ひらめ こぶじめ
いなだ  おだわら  いなだすきです。ジジイなんで、これくらいの脂でじゅうぶん。
こはだ おぼろ(珍しく、あったので、挿んでくれた、うれちい)
やりいか (ほそく、切って細工。やりいかなので。甘みがましますとのこと)

あなご ささやき  のじま  やっぱり、小笹でならった仕事だそうです

づけ
ちゅうとろ

しじみ 汁椀

しまあじ  三宅島
かわはぎ おだわら
しめさば  追加

かんぴょう まき
たまご

生ビール*1、寺田本家『五人娘』純米冷酒*2

〆て、9000円弱。
いいの、この値段で。極めて、お安い。
いつも、ご馳走さまでございます。



2014-10-05

CASA MALLA その10

パルシファル終演後、カサマイアにいく。

終わったのが8時近く、カサマイア以外には まともな、食事どころが思いつかない。で、8時45分予約に間に合わせようと、走り過ぎて、奥さん体調不良を併発。さらに時間がかかり、やっとのことで、9時10分に入店する。

もう、ほかに、お客はいなかった。遅くにすいません、とあやまると、全然大丈夫、スペインだったら、まだ、宵の口ですよと、にこやかな、お応え。

おお、ラストオーダー10時なんで、その前なら、OKみたいです。これは、遅い演奏会終演後の、第一候補確定ですね。メデタイ。

豚とプルーンのパテ 定番
かぼちゃの冷製スープ グラス
しいたけのオーブン焼き
なす、しかく豆とサンマのマリネ
トマト、サトイモ、丸ナスのオーブン焼き
カタルーニャ風くりごはん(栗とエビ、ブティファラのリゾット) おそらくシェフ・オリジナル。激うま。

やきりんご(今日からだそうです)、サングリアのソルベ、フラン(上出来です、とか)*2 

ウーロン茶
Clos Pons Alges, Costers del Segre, Spain Catalonia (ソムリエールお薦め、落ちついた美味しい赤でした)

〆て、18000円ちょっと、安心のおいしさです。ごちそう、さま。
台風の前兆の雨の中、まんぞく、まんぞく、で家路につきました。

2014-10-04

パルシファル @NNTT

新国立のパルシファルに行く。NNTT初演目だそうで、飯守泰次郎さんが総監督就任後の初の出し物である。
飯守泰次郎といえば、はるか昔のわが青春時代に、ドイツの歌劇場で修業している、若手の本格派がいて、まあ、注目の新人という感じだったのを、懐かしく思い出す。
日本人でワグナー振れそうなのがやっとあらわれた、という期待が充満していたような気がするが、帰国後、あまり、メジャーな活躍をしているという印象をもっていなかったので、NNTTの新オペラ総監督になるという話には、かなり驚いたものだ。まあ、わたしの、情報弱者ぶりが露呈したというわけである。

で、初登場がいきなりパルジファル。これは、気合が入っているなぁ、ということで、期待と不安がいりまじって、ドキドキもんでございます。

ワグナーのパルジファルの実演は、これも大昔、1989年ウィーン国立歌劇場来日公演をNHKホールで聞いた憶えがあるが、ワグナー信者ではないので、なかなか、面妖なものを見物させられた気がしたものである。

で、今回の公演、クプファーの新演出とかで、なかなかの力の入れようである。

【指 揮】飯守 泰次郎
【演 出】ハリー・クプファー
【演出補】デレク・ギンペル
【装 置】ハンス・シャヴェルノッホ
【衣 裳】ヤン・タックス
【照 明】ユルゲン・ホフマン
【舞台監督】大仁田 雅彦
【合唱指揮】三澤 洋史
キャスト
【アムフォルタス】エギルス・シリンス
【ティトゥレル】長谷川 顯
【グルネマンツ】ジョン・トムリンソン
【パルジファル】クリスティアン・フランツ
【クンドリー】エヴェリン・ヘルリツィウス
【第1・第2の聖杯騎士】村上 公太、北川 辰彦
【4人の小姓】九嶋 香奈枝、國光 ともこ、鈴木 准、小原啓楼
【花の乙女たち】三宅 理恵、鵜木 絵里、小野 美咲、針生 美智子、小林 沙羅、増田 弥生
【アルトソロ】池田 香織
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

で、幕があがると、稲妻形の道呈の奥に、仏僧らしきものが3人(黙役)すわっている。ま、パルシファル、お話には、ほとんど、興味はそそられないわけでありますが、音楽は、なかなかに聴かせるもんなので、良い出だしみたいです。

この演出、予想外に面白いんじゃないでしょうか。クプファー、あまり、いいと思った記憶がないんですが、今回は、作品の本質にズバリ切り込んでくる感じです。感心。

特に、第2幕は音楽もすさまじく強力なので、お腹いっぱい、ワグナーを詰め込まれた気になりました。

ただ、作品の聖なるものと俗なるものの相克と解放、肉欲とシニシズムからの解脱という意味で、真に納得のいく救済の音楽になっているのかは、やはり、疑問でした。

クンドリーの深い絶望に、パルジファルがきちんとこたえてくれたとは、どうしても聴こえませんでしたもの。

ま、それだけ、第2幕がすごかったということでしょう。

ジョン・トムリンソンのグルネマンツ、すんばらしい。
ロバート・ボークのクリングゾルも、じょうじょう。
エヴェリン・ヘルリツィウスのクンドリーも、第2幕で、爆発してくれました。
クリスティアン・フランツのパルジファルが、印象薄なのは、わたくしメの作品理解不足ゆえかもしれません。
飯守 泰次郎さんも、充分に実力発揮であったと思います。

今回のパルシファル、NNTTの久しぶりの傑作、大ヒットじゃないでしょうか。レパートリー化すべきだと思いました。

で、わたしは、また来たい? パルシファルだからなぁ。できれば、リングを、ウォーナーのトーキョー・リングじゃない、せめて、トンネル・リング(ベルリン・ドイツ・オペラ、ヘスス・ロペス・コボス指揮 、ゲッツ・フリードリヒ演出、1987年東京文化会館)ぐらいの出来のやつを、見てみたいんですが。お願い。

ワグナー生誕200年祭にリングをやらなかったなんて、どういう了見よ、NNTT。

終演予定時間19時40分を10分超過して、19時50分までかかりました。おかげで、こんなに凄い出し物だったのに、わたしたち夫婦は、幕が下りるのをまって、拍手もせず、劇場から走って逃げたのでした。もちろん、夕飯にありつくため、必死だったんです。、不埒もんだわな、サイテー。


1989年、ウィーン国立歌劇場来日公演のパルシファル(NHKホール)、キャストはこんなんだったらしい。いかにもエヴァーディンクらしい、微温的な演出で、ぼんやりとしか、憶えておらんが。

アンフォルタス/フランツ・グルントヘーバー
ティトゥレル/ゴラン・シミック
グルネマンツ/ハンス・チャマー
パルジファル/ルネ・コロ
クリングゾル/ゴットフリート・ホルニック
クンドリ/エヴァ・ランドヴァ

アウグスト・エヴァーディンク演出
ハインリッヒ・ホルライザー指揮

成蔵 (ナリクラ) とんかつ@新宿区高田馬場

タベログ通信 その69


今日はパルシファルに行く日だ。ワグナーの最終作で、やたら長い。予定では、休憩含め、5時間40分かかるとのこと。2時開演だが、昼の腹ごしらえ、うどんなんかではとてももたない。

で、白羽の矢を立てたのが、高田馬場のとんかつ、成蔵 (ナリクラ)である。

現在、タベログとんかつ部門、全国第3位、東京第2位(1位が蒲田の丸一だから、実質、第1位なんだろう)。

ただ、ぽん太系の、低温揚げらしいので、いにしえの上野双葉がデフォのわたしからすると、好みからはちょっとはずれる。でも、現代の高級路線のとんかつは、たいてい、低温揚げみたいなので、まあ、良いかということにする。

朝から、台風の前兆で強い雨。でも、かなりこむということなので、開店時間の11時少し前にお店におもむく。傘をさしながら、到着、10分ぐらい前だけど、すでに8人ほど並んでいる。早くきて、正解みたいです。開店第一陣で、席につけました。

おくさんは、霜降高原特ロースかつ定食¥2060、わたし、霜降高原シャ豚ブリアンかつ定食(ヒレ)¥2170を選ぶ。

時間かかりますということで、のんびり待っていると、20分以上はかかったが、堂々登場。

注文のエビス生とともに、塩で、ヒレを食す。
おお!!肉の味がする。これは、未体験ゾーンかも。

低温揚げ嫌いなはずだが、あっさり、宗旨替え。おそらく、昔の上野蓬莱屋のヒレより旨い。

人生トップのヒレに遭遇とあいなった。

おくさん、こんなに厚いのは、全部は食べられないということで、ロースも半分は、担当。こちらも美味いが、もともと、ヒレ偏愛のため、それほどは、感激せずでした。ロース好きの奥さんの評価は上々のようです。

ロース、ヒレとも油切れは完璧。キャベツも上質といっていいんでしょう。

ヒレには塩が似合いました(ソース好きなんですが)。

ロースは、通常どうりソースめいんで行くことにしましたが、充分いけるソースと思います。

付属の豚汁もおいしい。上機嫌で、生ビールをもう1杯追加(ごはんは手つかず)、1人前半もたべて、おなか、いっぱいでございました。

久々の、大ヒットということで、ハッピー、ハッピーで、NNTTにむかいました。

たいへん、たいへん、ごちそうさま。(高温上げで、このレベルがどこかにないもんでしょうか)


 成蔵 (ナリクラ) とんかつ
03-6380-3823
予約不可 ランチ、ディナータイム共にお席の予約はご遠慮させていただいております。
皆様お揃いになった方から順にお並び頂いております。
全員お揃いになられた時点で最後尾にお並び下さい。宜しくお願いします。
東京都新宿区高田馬場1-32-11 小澤ビル地下1F
JR,西武新宿線高田馬場駅 戸山口から徒歩1分
営業時間     [月、火、水、金、土] 11:00~14:00(L.O.) 17:30~20:30(L.O)
誠に勝手ながら2016/03/1よりラストオーダーの時間を20時30分とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
定休日     木曜日、日曜日定休日。
[夜]¥2,000~¥2,999 [昼]¥1,000~¥1,999
カード     不可
席数     18席 (カウンター6席 テーブル12席)
完全禁煙
駐車場     無

お子様同伴   
長時間お並び頂く事がございます。
乳幼児のお子様をお連れになってのご来店は出来るだけご遠慮ください。

2014-10-01

「新橋 鶴八」 その8

ネットで、お弟子さん独立という情報があったので、様子をうかがいにいく。本来は、9月中にいきたかったが、台風来襲等々で、予約を2回も延期、10月に入ってしまう。

駅前ビルのエスカレータをあがっていくと、鶴八のてまえに、真新しい白い鶴八分店の暖簾が。で、なかから、親方が出てくる。
お弟子さんここですか、ときくと、ニコニコしてそうだとのこと。情報収集の必要なしでした。

お弟子さん、19年と6?(失念)ケ月18年と5ケ月(ご本人に確認。訂正)も勤めていたそうで、最長記録保持者だけのことはあります。
今日からなんですか、ときいたら、先週の大安(26日か?)とのこと。
新橋は、鶴八一門で占拠ですねといったら、親方、うれしそうでありました。

まずは、めでたい。ふりで、入れないお客さんには、隣がありますと、ご案内しとりました。

5時10分ごろに入店、あとからすぐ、常連らしい関西の夫婦連れが、幼児、2人伴って、入店、さらに、じじばばも来るそうで、こあがりでなく、つけだいに6人で着席、見たことない光景に、びっくりこけました。

さすが、関西人、さすが、ご常連ということで、あなごの細巻き(ってご注文)を、おかわりふくめて3本ほど、こどもにあてがっておりました。なるほど。

つぎつぎ、ご家族向けの注文が出るので、そのあいまに、相手をしていただく。で、鶴八にしてはめずらしく、滞在時間が1時間半ちかくになりました。

おもしろ体験で、まあ、いいんでないの、っていう感じであります。関西、恐るべし。

つきだし
はしら

つまみ
しおむし
はまぐり
こぶじめ(ひらめ)

にぎり 2つづつ
ひらめ
かつお
いか (しんいか)
こはだ(うちひとつは2枚づけ)
さば しめ

例の汁椀

みるがい
いくら (軍艦 ひとつ ふだん喰わないが、しゅんだもんね)
づけ
あなご
たまご(にぎり ひとつ)

かんぴょうまき(わさび) 効いてます?て親方

生ビール*2 冷酒*2

ぜんぶで18貫、だいぶ食べましたねといわれ、しめて、21000円ちょっと。
ごちそうさまでした。
分店にはいついこうっかな。

鶴八分店