だいぶん前、サントリーのコンサートで、イケメンのロシアのバリトン、ヴィタリ・ユシュマノフさんが歌った『イオランタ』ロベルトのアリア「俺のマチルダにかなうものがいるだろうか?」を聴いて 興味が湧いた『イオランタ』、実演があるというので、NNTTの小ホールへ。
NNTTの小劇場って、初めて。こんなところにあるんだ。
新国立劇場オペラ研修所、オペラ試演会、ていうのも初めて。
指揮は鈴木恵里奈さん(?)だそうだが、バックは2台のピアノだけみたいで、ちょっとガッカリ。
オペラは1時間半しかないけれど、我慢できるかしらとなどと思う。
でも、始まってみると、ストーリーが王道 女性コッミク調でなかなかおもしろい。
歌い手もそれなりに健闘。
タイトルロールのイオランタ、和田悠花さんなかなかピュアな声で素敵。ブラーヴァ。
レネ王の松中哲平さんも、ロベルトの野町知弘さんもなかなかだけど、声がまだ少し生乾きかなぁ。伯爵のボデモン、濱松孝行さん、いかにものレッジェーロでぴったりの声質だったのに、不調で高音が伸びず可愛そう。でも、声はいいんだから、これから頑張ってねという感じ。
ということで、意外と楽しめました。
チャイコフスキーの「イオランタ」、まともなオペラ公演で聞くことはできそうもないけれど、チャイコ最後のオペラということで、チャイコフスキー・アレルギーのわたしでも、いいなぁ、なんて思えるなんて、かなりのもんじゃないでしょうか。
いいBDあるみたいだから、買っちゃおうかしら。
新国立劇場オペラ研修所 オペラ試演会
オペラ「イオランタ」/P.I.チャイコフスキー作曲
Iolanta/P.I.Tchaikovsky
全1幕 <ロシア語上演/字幕付>
2019/6/29(土)16:30 開場 17:00 開演
新国立劇場 小劇場
予定上演時間:1:30
今年度のオペラ試演会は、チャイコフスキー作曲「イオランタ」を上演いたします。
本作品は「くるみ割り人形」との二本立て(ダブルビル)用に書かれたチャイコフスキー最後のオペラです。
オペラ研修所で初となるロシア語のオペラに、若き研修生たちが挑みます。
新国立劇場 オペラ研修所は、プロのオペラ歌手を育成する研修機関として1998年4月に開設され、多くの修了生たちが新国立劇場への出演はもちろん、世界で広く活躍しています。試演会では、4月に入所したばかりの22期生も初舞台に臨みます。
演出・美術 ヤニス・コッコス
指 揮 鈴木恵里奈
ピアノ髙田絢子、原田園美
【レネ王】 松中哲平(16期修了)
【ロベルト】 野町知弘
【ボデモン】 濱松孝行
【エブン=ハキヤ】 森 翔梧
【イオランタ】 和田悠花
【マルタ】 一條翠葉
【アリメリク】 荏原孝弥(19期修了)
【ベルトラン】 程 音聡
【ブリギッタ】 斉藤真歩
【ラウラ】 小野綾香(賛助)
【合唱】 原田奈於
ものがたり
舞台は中世のとある山中の城の中。
レネ王は生まれた娘イオランタが目が不自由であることを本人に知られないように、また外部との接触も避けて育ててきた。美しく成長したイオランタはある日、迷い込んだ若者ボデモンに出会う。ボデモンはイオランタと会話するうちにイオランタが目が不自由なことに気づき、光の素晴らしさを話す。一方、父王は娘の目を治そうと医師を呼び、難しい施術であるために娘に覚悟を聞く。決意を決めたイオランタは何事も耐えてみせましょうと医者と共に別宮に赴く。
【演出・美術】ヤニス・コッコス(Yannis KOKKOS)
アテネ生まれ。フランスでストラスブールの演劇高等学院で舞台美術を学ぶ。キャリア初期は舞台美術家として演出家アントワーヌ・ヴィテーズと共同作業を行い、1980年代にコメディ・フランセーズ、アヴィニヨン演劇祭、ミラノ・ピッコロ座、シャイヨー国立劇場などで上演された多くの作品を手掛けた。主なオペラの舞台美術に、パリ・オペラ座『マクベス』、ミラノ・スカラ座『ペレアスとメリザンド』、ウィーン国立歌劇場『魔笛』、ボローニャ歌劇場『ドン・カルロ』、ジュネーヴ大劇場『エレクトラ』、バレエの舞台美術・衣裳に『シルヴィア』(ノイマイヤー振付)などがある。1987年から演出家として活動し、ボローニャ歌劇場、シャトレ座、オランジュ音楽祭、英国ロイヤルオペラ、パリ・オペラ座、ウィーン国立歌劇場、マリインスキー劇場などで、『ボリス・ゴドゥノフ』『ファウストの劫罰』『ヴェニスに死す』『ディドとエネアス』『ジュリオ・チェーザレ』『カルメン』『トスカ』『ドン・ジョヴァンニ』『トリスタンとイゾルデ』『ペレアスとメリザンド』などを演出。スカラ座では98/99シーズン開幕作品『神々の黄昏』、02/03シーズン開幕作品『オーリードのイフィジェニー』を演出した。最近ではギリシャ国立歌劇場17/18シーズン開幕作品『エレクトラ』、アテネとバーリで『さまよえるオランダ人』を演出している。 批評家協会賞、2度のモリエール賞、プラハ・カドリエンナーレ金賞、フランス芸術文化勲章など受賞多数。ウェルシュ・ナショナル・オペラ98年にて演出した『皇帝ティトの慈悲』がオリヴィエ賞最優秀オペラ作品賞を、パリ・シャトレ座の『トロイ人』の演出で2004年批評家賞を受賞した。
【指揮】鈴木恵里奈(SUZUKI Erina)
東京藝術大学音楽学部指揮科卒業、同修士課程修了。 オペラアカデミー イン S. アマデウス修了。 指揮法を佐藤功太郎、ハンス=マルティン シュナイト、小田野宏之、セルジョ オリーヴァの各氏に師事。 これまでに、東京藝術大学音楽学部附属高等学校非常勤講師、エリザベト音楽大学非常勤講師、広島大学客員准教授を務める。 在学中よりオペラ公演の指揮を始め、愛知トリエンナーレ、佐渡裕プロデュースオペラ、新国立劇場、錦織健プロデュースオペラ、日生劇場、日本オペラ協会、びわ湖ホール、藤原歌劇団を始めとするオペラ団体や宮崎国際音楽祭において、数々のオペラ公演に音楽スタッフとして携わるほか、イタリアのサンテリーア野外オペラではセルジョ オリーヴァ氏のアシスタントを務めた。 文化庁による、子供のための優れた舞台芸術体験事業において仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演する他、市民オーケストラや合唱団の指揮・指導にも取り組んでいる。