インバルのブルックナー交響曲第7番を聞きに、川崎のミューザにいく。
サントリーのマーラー10番でノックアウト、そこで、確か、ブルックナーもやるはずだ、日程が近いのでパスの積もりだったけれど、やはり行かねば、ということで、急遽、 チケットをゲット、3階のA席を確保した。
夏のフェスティ バルの公演なので、安いし、ミューザの上の階は初めてなので、いい経験になるかも。
インバルのブルックナーは、フランクフルト放響のものを全曲あつめていて、0番とか、00番とかFとかでよくお世話になったものだ。
とくに、4番の初稿版の素晴らしさを教えてくれたのはインバルだった。
いまでも、初稿だと、インバル以外、まともなCDはないんじゃないか。知らないだけかなぁ。
ということで、大いに、期待がたかまる。
前半はジークフリート牧歌。ワグナー信者ではないので、心温まる優しい音がするなーと思ったが、それ以上の感慨は湧いてこない。この曲なら、こんなもんでしょうと云うところ。
後半、いよいよ、7番がはじまる。ブルックナーの7番、ほっておいても、ひたすら、美しい曲なので、インバルの純度の高い美音が、ぴったりといえるはずだが、どうも、様子が違う。
都響って、ブルックナーのオケとしては、いまいちなのかもしれない。美しい響きだけれど、ちょっと、その美しさが上滑りみたいな気がする。団員も一線級ではないのかなぁ。
インバルの指揮も、かなり細やかな表現が耳をそばだたせるが、、岩盤を素彫りしているみたいな、ブルックナーらしい調子とは随分、違う。第2楽章なんか、もろに、エスプレッシーボの音楽という感じで、深ぶかした感情表現を味合わせてくれたが、ブルックナーを聴いている感覚からは、すこし、距離があるように思った。
結局、わたしにとってのインバルは、マーラーの指揮者であって、ブルックナーの指揮者ではないということみたいです。
演奏後、聴衆からは、盛大な拍手をあびていたので(マーラー10番の異様なものとはだいぶ違うが)、私の感想は、かなり偏っているのかもしれません。
まあ、この前、ハウシルトに聴かせて貰ったようなブルックナーに、遭遇することは、そうそうあるわけないものね。
あと、ミューザ川崎シンフォニーホール 、響きのブレンド感が強いホールというより、3階席でも、分離のよい、きれいな音がするホールに思えました。
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