それにしては、ブルックナーの第3番だとか、花がないなぁと思いつつ、ジョナサン・ノット 東京交響楽団の第626回定期演奏会に、サントリーホールへゆく。
プログラムをみていると、ノーヴァク版の1873年第1稿でやるみたい。なかなか、マニアック。聴き納めとしては、ますます、渋いと、少し、どんびき。
ま、ブルックナーの場合、第1稿はなかなか、面白いので、いいかもね。第4番ならば、第1稿が圧倒的に素敵だと思うが、第3番は、どうだったっけ、違いが大きいほうだったかも、あまり憶えがない。
前半、ワーグナーのジークフリート牧歌。ゆったりとしたテンポで、非常に良くコントロールされた、
優美でアンティームな響きがする。ジョナサン・ノット、お主、できるとか思わせられた。
後半、いよいよ、ブルックナー:交響曲 第3番 第1稿である。先週のミューザ川崎で、マーラー:交響曲第8番を聴いたときにも思ったが、ジョナサン・ノットが振ると、見晴らしがいい、わかり易い音楽になるような気がする。もの凄く、頭が良さそうな感じ。
ブルックナー:交響曲 第3番も第1稿らしい、少し、ごつごつした、音楽の流れが、すこぶる良く整理されてきこえてくる。そして、美しい響き。第3番がワーグナーと言われている由縁が、すごく、わかりやすい。本当に、実力者だ。
ただ、音楽として、美しく、気持ちよいのだが、エスプレッシーボの感触はほとんどない気がするのだ。これを、問題ととるか、特色ととるかは、難しいところだ。
でも、あと、30年ぐらいして、ノットがどうなるのか、非常に興味深いと思う。おいらはジジイなので、もう生きてはいないんだが。
東京交響楽団も、機能的には、なかなかの演奏じゃないでしょうか。ブルックナーの響きとは違うと思ったけれど。
(そして、云っても詮無いことながら、今年の1月、すみだトリフォニーで聴いた、ハウシルト:新日フィルの第4番『ロマンティック』、あの聖霊が御光臨、一生に何度遭遇できるか、と呆然とした記憶が蘇る。ジジイのわたくしに、おそらく、チャンスは残っていない。涙)
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