偏愛する4つの最後の歌を聴きにサントリーホールへ。
2016年8月にセバスティアン・ヴァイグレ/読響、9月に山田和樹/日フィルとたて続けに演奏会があって以来、この頃はあまりやっていないので、やっと来たか、という感じです。
それに、今日のN響の棒はファビオ・ルイージさんなので、ヤルヴィより期待できそう。(偏見)
一曲目
オイリアンテが勢いよくはじまる。
N響の低音がしっかり聞こえてきて、なかなかいい感じであります。
曲自体は、出だしの元気一杯のところなんか、先日聞いた「ルスランとリュドミラ」ばりですが、さすがに、作曲家の格違い、それなりに、変化に富んでいて、曲の出来は比較にならないというところ。それに、ドイツがきちんと響いてくる演奏で安心できました。
2曲目 お待ちかねの 4つの最後の歌
ソプラノのクリスティーネ・オポライスさん銀色に金糸の華やかなドレスで登場。美人さんで、素敵ですが、薔薇じゃないよ、4つの最後だぜと、ちょっと困惑。
でも、声は、それほどパワーはないけれど、それなりに美しい声で、まあ、曲が何にもしなくても悶絶級に美しいので、よほどでなければ大丈夫、きれいな声で歌ってさえくれれば、十分です。
若いので、それ以上望むのは無理というもんでしょう。(なんだか、裸足だったみたいだけれど、声をしっかり出すためなのかしら。まあ、美人なんで、なにをなさっても、OKです)
ルイージのバックは、非常にしっとりとした響きで、煽るようなところのない、落ち着いた演奏だけれど、じっくりと情感が染み込んでくる。
1曲目、2曲目、3曲目、4曲目と徐々に上り詰めて行って、最期に黄昏に静かに溶け込んでいく様は納得の棒。N響も、まともな音をだしていて、十分にお役に立っていたので、えかったなぁ。ちゃんと出来るじゃないの。
でもでも、4つの最後の歌、本当にいい曲。
コンサートで聞いていていつも思うんだけれど、この曲の後にいったい何を演奏したらいいんだろう。プログラムビルディングが大変ですよね。
今日の後半は「英雄の生涯」。まあ、穏便な組み合わせといえるほうかな。
ルイージの演奏は、これぞR.シュトラウスという、華麗な音響というよりも、どこかぬくもりがあって、ニュアンス豊な響きがします。
腕力でねじ伏せるみたいなところがなくって、きっちり、曲にはまっていました。
N響も日本のオケとしては十分の出来栄え。
ヤルヴィの時みたいに、無菌室的で清潔明瞭、キレイなだけの音ではなくて、重心がしっかりした中身の詰まった音がするので、棒が変わると、こんなに違うのねという感じであります。
サントリーホールだからっていうことばかりじゃないと思うけど。
ということで、結局、4つの最後の歌のことしか、頭には残らないんだけれど、大変に、満足できる演奏会でした。
コンマスは キュッヘルさん。やっぱり、貫禄十分。「英雄の生涯」で大活躍でした。
第1932回 定期公演 Bプログラム
2020年1月23日(水) 開場 6:20pm 開演 7:00pm
サントリーホール
指揮:ファビオ・ルイージ
ソプラノ:クリスティーネ・オポライス
ウェーバー/歌劇「オイリアンテ」序曲
R.シュトラウス/4つの最後の歌
R.シュトラウス/交響詩「英雄の生涯」作品40
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