ヴェルディのドン・カルロにいく。マチネだが、楽日なので、ひさしぶりに蝶タイで、きめてみる。
【指揮】ピエトロ・リッツォ
【演出】マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
【衣裳】ダグマー・ニーファイント=マレッリ
【照明】八木 麻紀
【フィリッポ二世】ラファウ・シヴェク
【ドン・カルロ】セルジオ・エスコバル
【ロドリーゴ】マルクス・ヴェルバ
【エリザベッタ】セレーナ・ファルノッキア
【エボリ公女】ソニア・ガナッシ
【宗教裁判長】妻屋 秀和
【修道士】大塚 博章
【テバルド】山下 牧子
【レルマ伯爵/王室の布告者】村上 敏明
【天よりの声】鵜木 絵里
【合 唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
オペラグラスを忘れたので、レンタルするも、不出来なもので、よく見えんかった。わが家のツァイス社御製の優秀さを再認識。老人性健忘症を克服し、忘れないようにしなければ。
新国立の、ドン・カルロ、プログラムを読むと、今回で、3回目。マレッリの演出は再演ということみたいである。
舞台装置は、よくある、抽象的なもの。フィリッポ二世の建てた居城、まるで牢獄のようなと演出家がいうエル・エスコリアル宮殿からインスピレーションをえたという、巨大な壁が、場面ごとに動いて舞台空間を区切っていく。そして、宗教裁判時代を明示する、十字架(クロス)の造形がかならず顕れるようになっていた。衣装も、具象と抽象の中間ぐらい、ドラマの普遍性を示唆している。
抽象的演出自体は、みあきているが、このマレッリのドン・カルロは、オペラの純度を高める、非常に優れたものだと、感心させられた。演出家に大きなブラヴォである。
フィリッポ二世のラファウ・シヴェク、長身で声量があり、立派だった。ただ、三幕の独白は、音楽がよすぎるので、より多くを望みたくなってしまったけれど。
ドン・カルロのセルジオ・エスコバル、楽日なので、声に少し疲れが見えたけれど、すばらしい声。
イタリアオペラを満喫。
エリザベッタのセレーナ・ファルノッキア、エボリ公女のソニア・ガナッシ、平均的な出来というところ。
ただ、大事な大事なロドリーゴのマルクス・ヴェルバが少し非力。演技も、オペラというより演奏会みたいで、ちょっとなぁという感じでした。
宗教裁判長は妻屋秀和さん、立派だし、ほかには、いないとは思うんだが、宗教裁判長だからなぁ。聴いていて、血が凍るようじゃないといけないので、少し、冷気不足か。
指揮のピエトロ・リッツォも東京フィルハーモニー交響楽団も、なかなか、よい感じでございました。
指揮のピエトロ・リッツォも東京フィルハーモニー交響楽団も、なかなか、よい感じでございました。
何はともあれ、ヴェルディの最高傑作ドン・カルロなんで、十二分に楽しめました。奥さんも、すごいわねぇと感心しきり。よいプロダクションでした。また、この演出で見たいもんです。
あと、4幕版なので当然ですが、フォンテンブローの場面がないバージョンだったので、あったほうが、ドン・カルロとエリザベッタの悲恋がさらに引き立つような気がいたしました。
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