山田和樹さんの マーラー・ツィクルス第5回にいく。
例のごとく、プレトーク。 武満のア・ストリング・アラウンド・オータムは、今井信子初演で、そのご、日本人の演奏は意外にない、赤坂さん(今井信子さんのお弟子)が、もしかしたら、2人目(あとで、スタッフから川本さんもやったとメモ)という話が。
マーラー の交響曲 第5番については、アルマとの結婚の時期に作曲されたものであること。
また、当然、ベートーヴェンの第5番との関連で、タタタターンの運命の動機がつかわれていて、この、運命の動機は、メンデルスゾーンの結婚行進曲でもあって、マーラーのダブルミーニングがあらわれている、という話があった。そして、この第5番の指揮については、いままでの4番のときとは、全然別の気持ちになっているとも。へぇ、どう違っているのかしら。
前半は武満 徹のア・ストリング・アラウンド・オータム、後期様式でひたすら、美しい曲である。多少、ゆるふん(下品ですまん)かなぁ。奥さん、きれいな曲ねぇといっておりました。
後半、マーラーの交響曲 第5番、なんだか、のっけから、4番までの感じと、確かに違う。テンポをじっくりおとしこんでいて、なんというか、ものすごく、エスプレッシーボ。
そして、旋律を、えぐるように、ドライブしてくる。
あの、4楽章のアダージョも、美しいばかりでなく、暗いおののきが浮きでるように、たっぷりと、うたわれる。
あの、4楽章のアダージョも、美しいばかりでなく、暗いおののきが浮きでるように、たっぷりと、うたわれる。
いままでの、和樹さんは、優美、繊細な美感が、もっと素直に流れ出てくるようなものだったけれど、そういう世界には、もう、とどまっていられない、という感じである。
ただ、それが、うまくいっているかというと、難しいところだ。こういう、粘る演奏を、実感をこめて、聴くものに届けるためには、まだ、何かが、足りないという気がするのだ。それが、何かは、わからないけれど。
でも、今までの、やり方で、9番や、10番(ツィクルスには入っていないが、是非、トライして欲しいなぁ)まで行くのは、無理があるんだろうから、当然の方向ではあるのだろう。
まぁ、これからに、期待ということなんでしょう。
マーラー も人気曲の第5番ということで、立ち見もでたという聴衆は、おおいに、もりあがっておりました。
第5回 2016年2月27日(土)
武満 徹 : ア・ストリング・アラウンド・オータム*
マーラー : 交響曲 第5番 嬰ハ短調
*ヴィオラ : 赤坂智子
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