去年の師走にいったら、御主人が6月で店を閉じるとおっしゃる。
びっくり仰天したが、少しは、余力のあるうちにやめようと思っていたとのこと。
まだまだ、大丈夫なのにと思うが、その心意気には、返す言葉がない。
それでは、好きな大リーグを見に、いつでもアメリカに行けるね。などと、話した。
その後、4月にまた行ったが、それが食べ納めになる。〆にさびかんを頼むと、
じゃあ、わさびをうんと効かせましょうなどと、めずらしく、軽口が出て、それが最後だった。
もう、小田原で美味しい鮨を食べることは望めなくなってしまったようだ。
あじや、かわはぎ、さば、さんま、など相模湾の地物を美味しく食べるのには欠かせない鮨屋だったが、後継ぎがいないので、致し方のないところだ。
閉店後、しばらくして、挨拶状までいただく。
あはれ、秋風よ。
こうして、美しきものたちは舞台から去っていくのだなあ。
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