ハーディングのマーラー交響曲第8番を聞きに、すみだトリフォニーホールへ。
ハーディング、マーラーだと、きっと、気合が入るはずだと、期待がたかまる。
トリフォニーのホールは、思ったより狭いみたいで、舞台から、演奏者がこぼれそうになっている。ピアノなんか、演奏者は楽屋の入口に隠れている。
のっけから、気合が入ったシャープで鋭角的な音響がたちあがる。そして、なんというか、ドラマを見ているような劇性というのでなくて、もっと、感覚的な、響の饗宴といった雰囲気。
新日フィルの響きが、小股の切れ上った近代風の、響きなのも、そういう、印象を強めているのかな。もともと、マーラーのオーケストレイションが、ぶ厚い響きを志向していないので、より、強調されるのかもしれない。
ここ、何回か、マーラー交響曲第8番をきいてきて、バンダや、救済のソプラノが、舞台正面でなく、二階の客席や、後ろから登場という、スペクタクルな、演出が多かったのに対し、今日の、ハーディングは、見せ物なしですっていう感じ。
案外、期待していたので、その意味では、肩透かし。
特に、パンダが、舞台正面の、オルガンのステージからだったのは、メインのオーケストラに呑まれて、埋没しがちでありました。
ただ、2人の男声、法悦の教父(ミヒャエル・ナジ)と瞑想する教父(シェンヤン)がきかせどころで、
前に出てきて、ハーディングの横で歌ったり、それなりに、メリハリのついた、やり方になっていました。
まあ、全体に、ハーディングらしく、インパクト系というより、すっきり、くっきり系のマーラーという感じ。
ハーディング、これで、もしかしたら、新日のシェフは、お終いなのかな。(楽界情報には疎いので、よくわからんが)
マーラーの最深部、10番を聴ける日があることを、願っています。
マーラー作曲 交響曲第8番ホ長調 『千人の交響曲』
公演名:新日本フィルハーモニー交響楽団
会場名:すみだトリフォニーホール 大ホール (東京都)
7月1日(金)19:15開演
■出演者
指揮 ダニエル・ハーディング
罪深き女 エミリー・マギー
懺悔する女 ユリアーネ・バンゼ
栄光の聖母 市原 愛
サマリアの女 加納 悦子
エジプトのマリア 中島郁子(ゲルヒルト・ロンベルガー体調不良で交代)
マリア崇敬の博士 サイモン・オニール
法悦の教父 マイケル・ナギー
瞑想する教父 シェン・ヤン
合唱 栗友会合唱団
合唱指揮 栗山 文昭
児童合唱 東京少年少女合唱隊
児童合唱指揮 長谷川 久恵
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