500年後の誘惑 クラーナハ展に行く。
このまえ、 国立新美術館の「ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち」展にいって、チラシを発見、実のところ、展覧会そのものより、チラシのほうが衝撃だったやつである。
日本初のクラーナハ展とかいうことで、40点もクラーナハ作品が各国から集まるという、気合の入った美術展らしい。
国立西洋美術館は、金曜が午後8時まで開館ということで、「なかがわ」のてんぷらのまえに、丁度いい塩梅である。
で、クラーナハ、期待どおり、というか、期待を大きく上回る、凄まじい絵画だった。
ルター派の選考帝の宮廷画家として描いた、教科書にも使われている有名なルターの肖像画などもあったんだが、はっきりいって、そんなもんはどうでもいい。
なんといっても、アルプス山脈の北のヨーロッパではぐくまれたエロスの根源、その破壊力をみせつける《ヴィーナス》や、《ルクレティア》、《正義の寓意(ユスティティア)》に《ホロフェルネスの首を持つユディト》《洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ》などを、みていると、背筋がぞくっとしてくるのでありました。
大昔、幼少のみぎり、父親に買ってもらった世界美術全集でクラーナハの貴婦人の裸体画をみて、???!!!???と思った深い困惑を懐かしく思い出したのであります。
おそらく、10年に1度あるかないかのすっごい展覧会でありましょう。金曜は午後8時までだからか、意外とすいていましたが、こういうの見逃すと、一生もんの痛恨事だと思われます。
あと、同時代ということで、デューラー の版画が何点か展示されておったんですが、デューラーただもんじゃありません。スゲエです。
でも、なにはともあれ、クラーナハ、世の中、テイヘンなもんが存在すると、胸にこたえたひと時でありました。
クラーナハ展―500年後の誘惑
会期:
2016年10月15日(土)~2017年1月15日(日)
開館時間:
午前9時30分~午後5時30分
毎週金曜日:午前9時30分~午後8時
※入館は閉館の30分前まで
休館日:
月曜日(ただし、2017年1月2日(月)は開館)、
2016年12月28日(水)~2017年1月1日(日)
主催:
国立西洋美術館、ウィーン美術史美術館、
TBS、朝日新聞社
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