東京二期会のオペラ、リヒャルト・シュトラウス 『ナクソス島のアリアドネ』にいく。日生劇場でやるんだとか。松村さんの「沈黙」初演があったところだが、あまり、オペラ向きとはいえない劇場な気が。
で、今回はライプツィヒ歌劇場との提携公演とかで、演出はカロリーネ・グル―バーさんという女性、指揮はシモーネ・ヤング(女性)で、なかなか、期待できそうな布陣である。
ナクソス、NNTTではやらんし、実演ははじめて。
曲は、小編成のオーケストラで、リヒャルト・シュトラウスの手練れぶりがとことん発揮されている。指揮も、やっぱり、実力者。東京交響楽団も、切れがあって、十分。
歌い手も、劇場が小振り、ということもあるのか、皆さん、それなりに歌っていて、 リヒャルト・シュトラウスを楽しむのに、不足はない。なかなかに、感心してしまった。昔の二期会オペラに比較すると、まさに,段違い。
ナクソスはリヒャルト・シュトラウスによくある、メタ・オペラというか、オペラについてのオペラみたいな感じだから、演出が読み替えといっても、何の違和感もないんだが、幕切れで、登場人物が次々倒れ込んでいって、最後に、キューピッドが客席に向かって、矢を引き絞る。
これは何でしょう。舞台は、夢幻で、最後に残るのは、ミューズの力ってこと?わからん。でも、そんなに奇抜じゃなくて、なかなか、おもしろかったなぁ。
ご主人が不機嫌になった、邸宅の荒れ果てた孤島の舞台(オペラ・セリエとジングシュピールの同時進行の原因)が現れなかったのは、異化作用の現場を見るという楽しみが薄れて、ちょっと残念かも。
でも、じょうじょうの舞台で、楽しめました。
P.S.
あとで、ウェブ巡りしていたら、演出のカロリーネ・グル―バーさんが
「私は、アリアドネだけではなく、すべての人物が「新しい愛をみつけ」、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』のように、幸せになるのだ、と考えています。」
といっている記事を発見。
幕切れの場面に馬の首の人物がいて、ティターニアの恋人(職人のボトム)みたいなのがいるけど、なんだべ、と思ったのだが、そういうことらしい。
2016年11月 ≪東京二期会オペラ劇場公演≫
日生劇場 TEL:03-3503-3111
ライプツィヒ歌劇場との提携公演
リヒャルト・シュトラウス 『ナクソス島のアリアドネ』プロローグと1幕のオペラ 《新制作》
台本:フーゴー・フォン・ホフマンスタール
作曲:リヒャルト・シュトラウス
Total:2時間30分予定
指揮:シモーネ・ヤング/演出:カロリーネ・グル―バー
管弦楽:東京交響楽団
配役 ダブル・キャスト で24日はビック・ネームはいないみたい。
執事長 多田羅迪夫
音楽教師 山下浩司
作曲家 杉山由紀
プリマドンナ/アリアドネ 田崎尚美
ツェルビネッタ 清野友香莉
テノール歌手/バッカス 菅野 敦
士官 伊藤 潤
舞踏教師 大川信之
かつら師 原田 圭
召使い 湯澤直幹
ハルレキン 近藤 圭
スカラムッチョ 吉田 連
トゥルファルデン 松井永太郎
ブリゲッラ 加藤太朗
ナヤーデ 廣森 彩
ドゥリヤーデ 田村由貴絵
エコー 北村さおり
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