2019-10-03

[指揮]アンドレア・バッティストーニ [演出]宮本亜門 東京二期会オペラ劇場「蝶々夫人」東京フィルハーモニー交響楽団 @東京文化会館 大ホール 

切符の入手を間違えて、ダブルブッキング、人生初めて、オペラの同日連ちゃんとなってしまう。

『蝶々夫人』あんまり、悲惨な内容なので、音楽はよいけれど、ストーリーがひどく無残、見終わった後、気分最低になるので、余り見にいきたいオペラではない。

でも、今回は、わがアイドルのアンドレア・バッティストーニが振るんでしょうがない。

いってみると、新国立マチネのオネーギンと同じ東フィルがピットに入っていて、おったまげ。
東フィル、合併で巨大楽団になっているらしいが、こっちは、2軍か、1軍かなどと思ってしまった。

でも、バッティストーニ、やっぱり、才能ありまくり。思いっ切り、ドライブして、イタオペ満開。すばらしい。
こういうのきくと、やっぱ、オペラとしては、プッチィーニの手練れぶりにくらべ、チャイコでは分が悪いよなぁ。

二期会の歌い手陣は、なかなか健闘でいいんではないかしら。
特にスズキ藤井麻美さん、よかったなぁ。
蝶々夫人の 森谷真理さんも大熱演。

あと、亜門さんの演出。
出だしの黙劇で、臨終間際のピンカートンが息子に蝶々夫人との物語を教えるという枠組み設定になっていて、その息子が、劇の進行を見守るということになる。

そして、終幕、ピンカートンが息を引き取るとき、ピンカートンの魂を蝶々夫人が迎えに来る。

ある種の、ハッピーエンド。こういう風にできるんだ、これなら、あの、1幕幕切れの、二人の愛の高揚場面(宇宙的な背景の中で歌われていた)が、このオペラの中心で、真実の瞬間だということが、納得できる。

初めて、あんまり、嫌な気分にならない「蝶々夫人」をみることができました。

いっぽうでは、ピンカートン夫人のケートがとっても気の毒っていうのはありますが、まあ、真実の愛っていうのは、はた迷惑ってことで、しょうがないのでしょう。



蝶々夫人 バッティストーニ
2019/10/3(木) 17:30 開場
東京文化会館 大ホール

ザクセン州立歌劇場(ゼンパーオーパー・ドレスデン)とデ
ンマーク王立歌劇場との共同制作公演
東京二期会オペラ劇場
主催:公益財団法人東京二期会
蝶々夫人〈新制作〉
オペラ全3幕
日本語および英語字幕付き原語(イタリア語)上演
台本:ジュゼッペ・ジャコーザ、ルイージ・イッリカ
原案:デイヴィッド・ベラスコ「マダム・バタフライ」
作曲:ジャコモ・プッチーニ

指揮: アンドレア・バッティストーニ
演出: 宮本亜門
 
舞台美術: ボリス・クドルチカ
衣裳: 髙田賢三
照明: マルク・ハインツ
映像: バルテック・マシス
 
演出助手: 澤田康子
島田彌六
 
舞台監督: 村田健輔
公演監督: 大島幾雄


配役 10月3日(木)
蝶々夫人
 森谷真理
スズキ
 藤井麻美
ケート
 成田伊美
ピンカートン
 樋口達哉
シャープレス
 黒田 博
 ゴロー
 萩原 潤
ヤマドリ
 小林由樹
ボンゾ
 志村文彦
神官
 香月 健

合唱: 二期会合唱団
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団

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