最初は、メンデルスゾーン。正直、メンデルスゾーンは相性が悪いよう。色々。趣向満載の曲だけど、いまいち、心に響かない。
それに、ピアノのミヒャエル・ゲースさん、かなり思い切りのいい打鍵で、メンデルスゾーン的軽やかさというのとは、随分違う。本格派の曲なのよっていうことなのかもしれないけど、居心地が悪い。日下さんはそれなりだが、まだ 楽器が鳴りきらんよう。
次は、シューマンでも、奥さんのクララの曲。クララ・シューマン、なかなかの作曲家だという話をきくが、実演は初めて。
いかにも、シューマン、ブラームス周辺の作曲家らしい響がする、愛らしい曲。ちょっと時代は違うけれど、ビーダーマイアーな趣がある。で、魂のほてりみたいなものはそれほどない感じ。でも、なかなかの、佳曲。日下さんも、ゲースさんも快調。
後半、レーガーの無伴奏シャコンヌ。レーガーといえば、例のゴテゴテ、管弦楽による誇大妄想趣味の変奏曲を思い浮かべて、印象良くなかったが、こいつはなかないい曲だった。CD探そう。
最後は、ブラームスの雨の歌。隠れもない名曲 。日下さんも、しみじみと、派手さはないが。いい音している。特に、低声が魅力的なような気がした。諏訪内さんみたいに、妖艶なオーラのある美音じゃないけれど、落ち着いて聞けるなかなか、いい演奏だった。
アンコールは、1曲のみ。
短いですけれど、次に時代のものをとおっしゃって、
R.シュトラウス:アレグレット ホ長調
日下紗矢子 ヴァイオリンの地平 3─ドイツ・ロマン派
日下紗矢子(ヴァイオリン) / ミヒャエル・ゲース(ピアノ)
メンデルスゾーン:ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調(1838)
クララ・シューマン:3つのロマンス Op.22
レーガー:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ イ短調 Op.91-7より 第3楽章〈シャコンヌ〉
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ト長調 Op.78 《雨の歌》
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