鮨屋に行く前、山種美術館の川端龍子展にいく。恵比寿から10分とからしいが、やたらながい坂道で、登るのがつらい。
20日までで終わりなんだが、館内はそれほど混んでいなくって、見物しやすかった。
川端龍子については、それほど、具体的な知識がないんだけれど、どこか普通と違う日本画だった。なんというか、線がどこにもない感じ。洋画からきたひとだからかしら?
仏教への帰依が深かった方らしいけれど、宗教性がプンプンというところはあまりないように思う。
黒の背景に金箔・銀箔の叢が印象深い「草の実」、華やかな加山又造なんかと違って渋いがしみじみとした余韻を感じる。
自宅が空襲で焼け落ちたときをかいたという、宙に舞う草花だけを描いた『爆弾散華』、丸木さんの直球ド真ん中の原爆図などとは、正反対というか、心の位相の深さみたいなのがあるような気がする。
龍子は大画面が名高いようだけれど、最後の展示室にあった晩年76歳の作品「牡丹」がなにげないしずやかな美しさをはなっていて、印象的だった。
でも、ミーハーなので、あたいはやっぱり魁夷が好きだ。
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