2017-08-01

ピーター・ゼルキン[ピアノ] モーツァルト/アダージョ K.540  ピアノ・ソナタ第17番 K.570   J.S.バッハ/ゴルトベルク変奏曲 BWV988 @すみだトリフォニーホール

ピーター・ゼルキンがゴルトベルクをやるという。これは、是非もんね、ということで、すみだトリフォニーへ。

席に座ると、舞台のピアノは、やはり、この前のブラームスのときの古いニューヨーク・スタインウェイではなく、普通のスタインウェイ。でも、会場で、配られたチラシに、調律はピーターのたっての希望で、平均律じゃなく、古典調律(1/7シントニック・コンマミーントーン)なんだそう。

へえ、やっぱりこだわり全開で、ピーター・ゼルキンらしいなぁ。駄耳のわたくしの理解できる領域ではないんだが、楽しみなことです。

前半。
モーツァルト/アダージョ K.540と、ピアノ・ソナタ K.570

モーツァルト早すぎる晩年の世界。ゆったりしたテンポで、湖の底を泳ぐように音楽が流れる。なんだか、シューベルトでも聞いているみたい。会場の聴衆、アダージョ が終わっても拍手もできない。ピーター、そのまま、ピアノ・ソナタ K.570を弾き始める。

後半
バッハ/ゴルトベルク変奏曲 BWV988

やはり、特別なバッハ。バッハの音楽がピーター・ゼルキンの心の襞によりそいながら、染み入るように流れてくる。普通聞くバッハとは、全然違う、もっと、自然な、音楽に聞こえる。

そして、最後の変奏で、こころが、すうっと、上昇するように解き放たれたかと思うと、アリアが回帰して、無限旋律の世界が開かれた。

70歳になったピーター・ゼルキンの今、自由な心というのが一番ぴったりの演奏でありました。



トリフォニーホール・グレイト・ピアニスト・シリーズ2017/18
トリフォニーホール《ゴルトベルク変奏曲》2017
ピーター・ゼルキン ピアノ・リサイタル

2017年8月1日(火) 19:00開演(18:30開場)
会場:すみだトリフォニーホール 大ホール

曲目
    モーツァルト/アダージョ K.540
    モーツァルト/ピアノ・ソナタ第17(16)番 変ロ長調 K.570
    J.S.バッハ/ゴルトベルク変奏曲 BWV988

出演
    ピーター・ゼルキン[ピアノ]

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