ロジェストヴェンスキーがショスタコーヴィチを演ると言うので、先週インバルで聞いたばかり、たびたび聞くもんじゃないと言ったばかりだが、ロジェヴェンご老体(85歳とか)だし、きいておいたほうがいいかと、サントリーホールへ。
最初は、組曲「黄金時代」、諧謔みのあるバレースク的な音楽。正直、ショスタコで、一番ピンとこないタイプの曲で、ふふーんていうところ。
ロジェヴェンは、ご老体らしく、ゆっくりと登場。で、指揮台に飛び乗ると、元気いっぱい長めのタクトを振り、デズニーの魔法使いの弟子のお師匠さんみたい。イカニモ、ヴィルトオーゾ。
二曲目は、ピアノ協奏曲第1番、ショスタコーヴィチの協奏曲って、ひきつった顔をみせがちな交響曲と違がい、独奏者が、コンサートホールで、気分よく腕前を見せびらかすみたいな(正しい協奏曲のあり方だよね)、面白みがあって、聴いていて、楽しいものが多いような気がする。
ピアノ協奏曲1番も、色々な表情の音たちが、次々やってきて、すこぶる聞き映えがする。
ポストニコワのピアノも、柔らかなタッチで、かろやかに泳ぎまわり、なかなかの聴きものである。流石だ。とっても感心。本日のハイライトと言っていいんでは。
休憩後、交響曲第10番。構えの大きい、華麗で、スペクタクルな音楽。重量級の戦車みたいな響きがするが、鈍重なところはない。キレがあるのだ。
ヤッパリ、ロジェベンって、ビルトゥオーソていうのが1番ぴったりくる。
指揮ぶりは簡潔・華麗だけれど、指揮台から降りると、ちょっとひょうきん。こんなもんだぜっていう感じなのが、なんだか、かわいい。
先週のインバルのショスタコとは大違い。これも、ショスタコーヴィチということのようです(もはや古典としてのショスタコ。なんといっても、濃厚にロシアっぽかったのは確かだし)。 まあ、なかなかのもんではありますな。
でも、読響って、インバルが振る絶好調の都響の敵ではないみたい。いいすぎか?
2016年9月26日(月) 19:00開演(21:00終演予定)
会場:サントリーホール
指揮=ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
ピアノ=ヴィクトリア・ポストニコワ
公演名:読響定期演奏会 第562回
ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「黄金時代」作品22a 18分
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 ハ短調作品35 23分
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ホ短調作品93 約50分(ロジェベン、じっくり振ってたので、60分近くかかったような)
0 件のコメント:
コメントを投稿