山田和樹さんが、 柴田南雄:コンソート・オブ・オーケストラ、R.シュトラウス:4つの最後の歌、エルガー:交響曲第1番という、なかなか、面白そうなプログラムを振るというので、サントリーホールへ。
先週、ヴァイグレ、エルザ・ファン・デン・ヘーヴァーで4つの最後の歌があったばかりなので、続きすぎとは思ったが、大好物なので、奥さんを誘うのは遠慮して、一人で出かける。
いつもどおり、プレトークがあり、山田和樹さんがでてくる。話すのお好きみたい。
珍しく柴田南雄をやるのは、今年生誕100年没後20年で、11月にやる記念演奏会の前哨戦だそう(切符かってね、ということだったが、おいらは、もう入手ずみ。たのしみだ。)。
4つの最後の歌は、日本人でやるのは声域的に難度高で、山田さんも清水さんも初挑戦とか。
エルガー:交響曲第1番は、3楽章が絶美。今日のテーマは「彼岸」 だそうであります。
で、最初の柴田南雄:コンソート・オブ・オーケストラ、少し前の現代音楽だけど、非常に多彩で、美しい響きが楽しめる、円熟した曲。山田和樹のだす音は、いつもながら、純度の高い良い音がする。柴田南雄の傑作でしょう。大満足。
4つの最後の歌、心配があたって、こりゃだめだ、という感じ。
清水華澄さん、アラベラのアリアでも歌っているみたいで、4つの最後の歌からは、遠かったと思う。曲がR・.シュトラウス最晩年の死の情感に満たされた曲なので、まともに、向かい合っていたら、歯が立つはずがない。ここは、ひたすら、声楽的に純度高く、一途に美しくやるしかないのに、別方向でがんばりすぎです。(先週のエルザ・ファン・デン・ヘーヴァーの歌をワグナーのオペラといっていた人がいたけれど、オペラなのは、よっぽど清水さんのほうだなぁ)
扇谷泰朋さんの、ヴァイオリン・ソロパートも 歌がなさすぎ。先週の読響の日下紗矢子さんの美演に大差をつけられていました。
山田和樹さんもセーブ気味なのか、得意の繊細優美な音がちょっと、できらない、もどかしい感じで残念、またの機会をということのよう。
4つの最後の歌は好物なんで、演奏が聴ければたいていは満足するんですが、ひさしぶりの大外れでした。(声がかぼそすぎてダメダメだった中丸三千繪さんの時以来かも、大昔)
後半は、おそらく、今日のメインのエルガー:交響曲第1番。
山田和樹さん、プレトークで出だしはブルックナーっぽいといってましたが、ブラームスの大学祝典序曲(どこが、っていう声。つまり、威風堂々てことで。)ていうところじゃないでしょうか。エルガーらしく、はなやかさもあって、山田和樹さんのきめ細かな華麗な音出しで、それをいっそう、強く感じられた気がします。
エルガーの交響曲って、もう少し渋い音がするように思っておりましたが、山田さんの若い精気がいっぱいの演奏で、これもありかと。大変、気分の良い演奏でありました。
第683回定期演奏会
2016年 9月 3日(土)午後2時開演(午後1時開場)13:00--16:00
サントリーホール
柴田南雄:コンソート・オブ・オーケストラ 15:28
R.シュトラウス:4つの最後の歌 約22分
エルガー:交響曲第1番 約55分
指揮:山田和樹[正指揮者]
メゾソプラノ:清水華澄
日本フィル
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