インバルがショスタコーヴィチの交響曲第8番を振るというので、台風16号来襲を気にしつつ、サントリーホールへ。
前半はデュメイのモーツァルト、ヴァイオリン・コンチェルト第3番。少し不思議な組み合わせだが、久しぶりの、モーツァルトのヴァイオリン・コンチェルト、デュメイならば、期待できそうである。
で、デュメイのコンチェルト第3番、いかにも、喜ばしい音が流れてきて、やっぱりいいなあと、昔し昔のモーツァルティアン気取りに浸る。
デュメイのヴァイオリンも、余裕たっぷりで美しく、楽しい。後半に、ショスタコーヴィチが待っているなんて、なんだか信じられない別世界のようで、幸せいっぱい。
休憩後、ショスタコーヴィチの8番。のっけからシャープで、心を切り裂くみたい、鋭利な刃物のような響が押し寄せてくる。インバルの指揮は、とても明晰で、克明。力ずくのところは少しもない、純度の高い音なのに、凄いインパクト。息をつく暇もなく終楽章になだれ込み、鎮魂の静謐な哀歌が流れて、8番が終わった。
インバル、すげえ。都響も、インバルが振ると、120%の力がでるようだ。
ああ、20世紀は戦争と革命(粛正)と戦争の世紀だったんだなぁ。としみじみ、思う。
そうすると、21世紀は、テロルとテロルとあと、なんの世紀になるんだろう。それをわれわれに突きつける作曲家は今どこにいるんだろうなどと、考えてしまう。
ショスタコーヴィチを聴くと、つい、考えがあらぬほうにゆきがちで、あんまり、頻繁に聴くのはつらいよなぁなどと、へたれてしまう。でも、ショスタコさん、また、どっかで舌を出しているんだろうか。
で、インバル、ブラヴォー,!!!ていうことになります。
東京都交響楽団 第815回 定期演奏会Bシリーズ 19:00--21:00
サントリーホール 大ホール (東京都)
出演: 指揮/エリアフ・インバル
ヴァイオリン/オーギュスタン・デュメイ
曲目・演目: モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K.216 約26分
ショスタコーヴィチ:交響曲第8番 ハ短調 op.65 約60分
0 件のコメント:
コメントを投稿