清水和音さんは、大昔ロン=ティボー国際コンクール優勝の凱旋のころ、シューマンのCDを買い込んで聞いたきりでご無沙汰ですが、音友の連載対談なんか読むと、玄人はなかなか御苦労なのね、などと思って、いっぺんくらい実演を聞いた方がいいかなぁとヤマハホールへ行くことに。
前半
ベートーヴェン/ 「テンペスト」。
ガッチリ鳴らす部分とやはらかに鳴らす部分とで、変化が明瞭な演奏。そして、がっしり体型のパワーを活かして、鳴るところはぐわんとなる。やっぱり男の人の出す音は違うのねぇと感心。
二曲目。
ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ 第30番。やっぱり夢幻のたゆたい感があってほんといい曲。
後半
ブラームスの3つの間奏曲。これもなかなか大人の曲でいい感じであります。
最後がシューベルトの第14番 イ短調。
がっしりした音で男性的に鳴らしきる演奏。
でも、シューベルトの心がさまよい出すような、夢想の時間はあまり感じられなかったかなぁ。
もっと骨太感が強い演奏。なんだか清水さんのがっしりした見た目の体形によく似ていたきがする。ちと失礼かな。
アンコールはシューベルトっぽい舞曲。プーランクのシューベルトをたたえてという即興曲。アンコールピースだそう。
清水和音さんのコンサート、音友の記事で、ご自身が、満足したことも、楽しいと思ったこともない、というようなことをおっしゃていて、なるほど、音楽する喜びという風な、情感にはだいぶん距離があるような気がしました。
清水和音 ピアノ・リサイタル
開催日 2019年06月25日(火)
時間 開場18:30 開演19:00
会場 ヤマハホール東京都中央区銀座7-9-14
東京メトロ銀座線/丸ノ内線/日比谷線 「銀座」駅A3出口より徒歩4分
出演 清水和音(ピアノ)
演奏曲目 L.v.ベートーヴェン/
ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 「テンペスト」 Op.31-2
ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 Op.109
J.ブラームス/3つの間奏曲 Op.117
F.シューベルト/ピアノ・ソナタ 第14番 イ短調 Op.143, D784
公演概要 弱冠20歳でのロン=ティボー国際コンクール優勝というセンセーショナルなデビュー以来、35年以上にわたって常に第一線で活躍し続けるピアニスト・清水和音が、ヤマハホール・コンサート・シリーズに登場!その完璧なまでの高い技巧と美しい弱音、豊かな音楽性を、ヤマハホールの極上の音響空間で心ゆくまでご堪能ください。
0 件のコメント:
コメントを投稿