前半、
エーベルレのベルク のヴァイオリン・コンチェルト。
細味で、優しく美しい音。ピュアな感覚が自然に流れてくる感じ。
最後の高音が高く上に上に伸びていく響きの美しさが印象的。
ただ、ベルクの世紀末的美感とは大分違うような気がする。
大野さんのバックも美しく繊細だが、ベルク的美感とはちょっと趣が異なる感じ。
後半、ブルックナー。
正直、大野さんって、ブルックナー に合うのかなと、疑っていたんだが 予想外の出来で、本当にびっくり。大変、楽しめました。
昔風のがっしりと重心の低い分厚い響きのブルックナー ではなく、音の流れがとても良くて、強弱も緩急も細かく、曲想の情感に敏感に反応するの極めて人間的なブルックナー。
今風ということですが、これはなんて美しい曲なんだろうと魅了されてしまいました。
3楽章の慟哭も胸を打つ響き。
ブルックナー 原理主義者は気に入らないかもしれんれど、これだけ楽しまさせてくれたら文句なし。
大野さんマーラはあまりピンとこないのに、これは、どうしたわけでしょう。
都響もそれなり。でも やっぱり 美音のオケというにはちょっと足りないかも。
できれば、インバルの時のパフォーマンスを出してくれればいいのに。
でも、これだけ聞いていて満足したのだから、健闘していたということかな。
東京都交響楽団第885回 定期演奏会Bシリーズ
日時:2019年9月4日(水)19:00開演(18:20開場)
場所:サントリーホール ホール
出演者
指揮/大野和士
ヴァイオリン/ヴェロニカ・エーベルレ
曲目
【若杉弘没後10年記念】
ベルク:ヴァイオリン協奏曲《ある天使の思い出に》
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB109(ノヴァーク版)
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