コンマスが見たこともない人だったので、急遽交代かと思ったが、プログラムに知らない人が載っていたので、そうではないようだ。
とすると歌い手かしら。でも、何も、アナウンスはなかったな。
前半、カプリッチョ、バックがかなり抑え気味だったのは、歌手への配慮なのかしら。
歌い手はまあ、それほど不安定ということもなかったので、詳細は不明。
(オペラだと劇場支配人登場で歌手不調だが頑張るんでよろしくていうのを、見たことあったなぁ。)
ソプラノのヴァレンティーナ・ファルカシュさん、前に日本でコジを歌ったらしい。
ピュアな透明感なある声で、美しいが、カプリッチョのマグダレーナなのでもう少しふくよかな声の方が合うかなぁ。
ここら辺はヤルヴィの好みかしら。N響の音色もすっきりタイプで R・シュトラウスとしては色気にかけるような。
でも、カプリチョを生で聴くのはなかなかできないし、おいしい終幕場面をやってくれたのは、ありがたかったかな。(できれば、演奏会形式で全曲をやってね)
後半、お目当ての交響曲 第5番。
フレーズごとに抑揚がついて、隈取りも細かく、楽想の性格づけも、これでもかっていうくらい克明。
音の響きが整理整頓されていて、極め見晴らしが良くわかりやすく、マーラーの近代的オーケストレーションの威力が良く分かる。
でも、マーラー的、ノイローゼチックなパラノイア傾向というか、大袈裟なメランコリーはない。明朗快活な、楽しげな曲に聞こえてくる。
昔マゼールがマーラーにはセンチメンタルなところはないといっているのを読んで、馬鹿も休み休み言えよと思ったものだが、こういう演奏を聞くと、あながち嘘でもなかったのか、今どきの演奏の先駆け的解釈だったのかなどと考えてしまう。
まあ、近代的オーケストラ曲として極めて楽しい演奏だったけれど、 マーラー聴いた満腹感はほとんどありませんでした。
あと、3楽章、ホルンのトップが弦のプルトの後ろまで出てきて、ソロの妙技を楽しませててくれたり、(奏者わくわくもんで楽しかったんじゃない、あんまり見たことなかったなぁ)、4楽章のアダージョも極めて美麗で、うっとりもんでした。
まあ、ヤルヴィぽいということね。
日曜にはヴァイグレ、読響の第5番 をまた聴きにいくんで、今度は、マーラーに会えるといいなぁ、ていう感じでした。
第1919回 定期公演 Cプログラム
2019年9月20日(金) 開場 6:00pm 開演 7:00pm
NHKホール
R.シュトラウス/歌劇「カプリッチョ」作品85から「最後の場」 *
マーラー/交響曲 第5番 嬰ハ短調
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
ソプラノ*:ヴァレンティーナ・ファルカシュ
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