NNTTでリゴレットを見物するのは初めてかもしれない。
新制作ということで、アンドレアス・クリーゲンブルクの演出、
舞台が、今時のホテルになっていて、
マントヴァ公爵はギャングの御曹司みたいな感じ。
頽廃的な風俗の中で、進んでいくリゴレットの物語は、なかなかみごたえがあった。
ジルダの愛の不条理とその無意味な死が直截的に見るものを刺激して、カタストロフは訪れない。
なかなか、良い演出ではないだろうか。
ピエトロ・リッツォの指揮は、明晰で、めりはりもシンプルかつクリア、イタリア感が気分よく出てきてくれて、なかなか、よろしい。東フィルもオペラのオケとしての実力を示していたし、合唱も良い感じでした。
ウーキュン・キムのマントヴァ公爵は、非常に、イタリア的な美声で、聞き栄えがするが、ところどころ、ひくりがえりそうになるので、お疲れなのかもしれない。もっと、絶好調のときに、またきいてみたいものだ。
エレナ・ゴルシュノヴァのジルダ、少し、線が細いかも、なんとなく、イタリアの声とは違うかもと思った。声も良いし、姿も悪いわけではない(妻は声も姿も素敵といっていた)ので、贅沢ということか。
リゴレットはマルコ・ヴラトーニャ、長身でフランケンシュタインみたいで、見映えがするが、声が圧倒的とまでは行かないような気もする。
そうはいっても、まあ、ヴェルディの円熟期のオペラなので、聴き栄えのすることすること、イタオペを聴きました、と、腹いっぱいになって、充分、満足ができました。
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