色々の諸事情に伴い致し方なく、¥32000なりS券の当日券をゲット。嬉しいような泣きたいような、複雑な気持ちでありましたが、窓口で受け取ったシートは、なんと、1階15列の左という、なかなか素晴らしい席。招待客が来なかったとかなんかしら、残り物に福があったということみたい。1列まえの中央には、小泉前首相までいらっしゃいました。(音楽会でみかけたのは久しぶりかな。わたし、近頃、オーケストラの来日公演なんて来ないからねえ)
前半、
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64。積極的に聴こうという気にならない曲ですが、きょうの演奏は、なんともびっくりさせるものでした。
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が、こんなに、真に魂の奥からロマンテックな曲だということを初めて知った思いです。曲も極めて構築的に出来ているのがよくわかって、すごい才能なんだと、感服しました。
1楽章と2楽章は続けて演奏(ハッとするほど、素敵な展開、ロマンティッシュ!!)。3楽章もほんの一呼吸で始まりました。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、まじめに聞いたことがないので知らないんですが、これって、よくあることなのかしら。
3楽章はお祭りふうなので、まあ、それなりの終わり方ではあったのですが、レオニダス・カヴァコスの弱音の魅力満載、ブロムシュテットのバックは、もう交響曲みたいで、すごいできでした。
ライプツィヒ・ゲヴァントハウスも、メンデルスゾーンはドイツの魂よみたいに鳴っていてさすがであります。コンマスが横浜とは違う小柄なひとで、全身を使って弾くタイプなのが印象的。
アンコールは、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番第3曲 ガヴォット
後半、おまちかねのブルックナー、交響曲第7番。
やはり、ブロムシュテットは枯れた音楽とは無縁でした。すごい気合で、がっちり、曲を組みあげてゆきます。第二楽章の深い響きなんか、溜め息ものでありました。
これ以上のブルックナーがあるとしたら、ドレスデン・シュターツカペレとか、ウィーン・フィルみたいな、媚薬的な音をもったオーケストラでないと無理なんでは、と思わされます。
ゲヴァントハウスは、やはり、美音系のオーケストラとは少し違います。(必要十分に美しい音で、おそらく、アーベントロートとかコンビィチュニーのころとは、随分違って、現代的になっているんでしょう。シャイー以降、大変化という話のようです)
びっくりの小話をちょっと。最終楽章の終盤にはいったころ、第二ヴァイオリンのセコンドの女性が、弓をとりおとしちゃったこと。大勢に影響なしですが、よっぽど気分よく弾いていたのかしら。弦の奏者が、弓を落としたのを見たのは、30年以上前の東文でチェロの安田謙一郎さんの時以来だなあ。
いずれにしろ、大満足、気分よく、サントリーホールをあとにしたのでした。
2017年11月12日 (日) 15:00 開演 (14:30 開場)
会場 サントリーホール
出演
オーケストラ: ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
指揮: ヘルベルト・ブロムシュテット
ヴァイオリン: レオニダス・カヴァコス
プログラム
メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノーヴァク版)
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