2019-03-26

指揮/エリアフ・インバル チェロ/ガブリエル・リプキン ブロッホ:ヘブライ狂詩曲《シェロモ》 ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 外 東京都交響楽団  @東京文化会館

インバル・都響のショスタコーヴィチの交響曲シリーズ、第5番はもうやっているので、再演ということになるようだ。

初めは、ブラームスの悲劇的序曲。
昨日のユロフスキーのブラームスがゴリゴリだったので、余計にインバルの美音が目立つ感じ。普通に考える、ブラームスの世界がひろがります。

つぎは、リプキン登場。ブロッホの《シェロモ》です。まあ、それほど、なじみはないけれど、昔聴いた記憶では、それなりの曲だったような。

でも、今回は、あまり、乗れませんでした、リプキンさん、ユダヤ系で、それなりに評価の高い人のようですが、曲自体あまりピンときませんでした。
ユダヤ系といっても、ねっとりタイプではなくて、純音楽的に取り組むタイプなのかしら。

後半は、いよいよ、ショスタコーヴィチの交響曲第5番。

こう振るのかぁという感じ 。インバルの時の都響は音がとても美しい。
そしてショスタコを聴いていて、いつももやもしてしまう、不可解な感触みたいなものがほとんどない。こういうのを純音楽的な演奏というんじゃなかろうか。

ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、「革命」という副題がつく場合があるほど、革命20周年という「記念すべき」年に初演され「社会主義リアリズム」のもっとも高尚な理想を示す好例ということになっていたこともある、ショスタコーヴィチ特有のうさん臭いところのある交響曲だ。
でも、インバルの棒で聴かれるのは、ショスタコーヴィチは、ある意味、ただ、美しい音楽を書いたんだなぁ、と思わされる。
これなら、恋人を思ってその「愛と死」を描いたのだとする説だって、理解できなくはないなぁ、などと思う。

終楽章の居丈高でない、ピュアな歌にあふれているところなんかも含め、あんまり聴いたことのない、不思議なショスタコーヴィチの交響曲第5番だったような気がします。




第874回 定期演奏会Aシリーズ

日時:2019年3月26日(火)19:00開演(18:20開場)

場所:東京文化会館 ホールご案内 座席表
出演者
指揮/エリアフ・インバル
チェロ/ガブリエル・リプキン *

曲目
ブラームス:悲劇的序曲 op.81
ブロッホ:ヘブライ狂詩曲《シェロモ》 *
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47

東京都交響楽団
2019/3/26(火)18:20 開場 19:00開演
東京文化会館 大ホール (東京都)



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