タベログ通信 その71
もうすこし、江戸前鮨の経験値を高めようと、鮨 久いち (ひさいち)に、いく。
久兵衛系統は、ほとんど知らないので、楽しみである。
前日の予約で、11:30から12:20までなら空いているということで、lunchだから、時間的には大丈夫ですというお話でした。
つくばエキスプレスの浅草駅で下車、浅草六区(ロック座って、六区座なんだあ、などと、いまさら、気づいて、感激)などをうろつきながら、無事、11:20分に到着。
周りの道路がおりあしく工事中で、通行止め。警備のひとにどこ行くのと尋問をされ、あなたが立っているところのお鮨屋さんヨと、指さすと、すんなり通してもらえた。
まだ、開店10分前だが、暖簾が下がっていたので、入店。11時半からですが、おかけになってお待ちくださいということで、2番のつけ台に着席。生ビールを注文。
つまみ2.3品とおまかせ(15貫)をお願いする。
つまみは、つきだしがいいか、さしみがいいかときかれたので、つきだしで、しらこと牡蠣を注文。
まずは、あてで、わかめにクラゲが登場、こりこりしてうまい。しらこ、あたたかいやつで、これも、なかなか良い感じ。牡蠣の時雨煮?ふつう。
で、握りに移行。
うちは、あさつき、おおば、すだち、なんかを使うんですが、大丈夫、きらいなものありますかというので、できれば、なんにも使わない方が、好きです、というと、わかりました、そのほうが、さかなの質がよくわかりますよね。好みどおりが、いいですと、柔軟対応。
いたって、フレンドリィであります。
冷酒は辛口を、というと、山形の大山を薦めてくれました。
最初は ひらめ
酢飯の量は、どうですか、もう少し、おおめにもできます、と、また、好みをきかれる。
久兵衛さんて、こぶりが基本ですよね、でも、もうすこし多めがいいかもです、というと、そのほうが、酢飯の味がよくわかりますものね、すこし、多目にします、と、おっしゃる。
でも、もともと小さいんで、種とのバランスががありますから、多少、って感じになります、とのことでした。
そういえば、いま、赤酢を試しています。久兵衛ではしないんですが。とかおっしゃっていたなぁ。ほほう。(それと、開店すぐだったからか、酢飯が経験したことないくらい、熱かった。よくにぎれるなぁと思ったくらい)
きす
えぼだい へぇ
ちゅうとろ
ずけ
すみいか きりこみ多数
こはだ
いくら(軍艦) 粒大きめの存在感、ただし、好みより濃い目の味付け
うに うまぁ、濃厚で癖っぽさがあり、そこがいい感じ、軍艦でなく、にぎりにのせてでてきた、名前、教えてくれたんだが、ジジイなんで、失念。
えび ぼいる
久兵衛さんは、上品だから、しっぽなんかつけないんだ、ときくと、うちは、浅くボイルなんで、しっぽは、むりです。焼くところもありますよね、とおっしゃる。
わたしめ、そう、焼くと旨いよね、えびせんみたいで、大好きだなぁ、とよけいなことをいう。
みる
とろ あぶり(もできますというので、試す) 塩で(にんにくも可だそうです)
はまぐり
あなご しお
あなご つめ
てっか
かんぴょう
しじみのしるわん
これで終わりです、というので、おなかは満杯でしたが、できたら、玉子をつまみで、というと、ごめんなさい、これから仕込みで、いまはなしです、とのこと。残念。
そういえば、久いちさん、おぼろはやるんですか、と訊くと、久兵衛はおぼろないんです、という。
そうなんだぁ。
実は、久いちさんち、父親も、祖父もこの場所で鮨屋をやっていたそうで、修業の間、しめていたけれど、三代目だそうです。銀座にもいましたが、浅草に戻ってきたんだそう。
浅草って、一遍住んだことがある人は、戻ってくることが多いところなんですよ、と、厭みなく、下町の矜持をほんのりただよわせておりました。
で、先代、先々代のときは、おぼろもやっていたそう、ただし昔のやつは、甘過ぎて、いい感じをもっていなかったとか。でも、いまどきのは、甘さひかえめで、こはだなんかに挟むといいですよね。興味、ありますとのことでした。
で、ぱくぱく喰っていたので、無事、12時20分前には終了。〆て、12000円ちょっと。ランチということもあって、極めて、リーズナブル。ただし、CPという点では、新橋のしみづなんかの方が、上かもしれません。
あさつき、おおば、すだちなんかを常用するお鮨屋さんなのに、使わないやりかたでお願いするという、少し、場違いの食べ方だったし、もしかしたらランチということもあって、種の質が、夜と違うのかもしれません(これは、わかりませんが)
で、特に、種の質を考えると、リーズナブルではあっても、コスパでは、それ程ではないという印象になってしまいます。
ただし、ご主人の接客は実に感じのよいもので、気分よく、喰う楽しみを味わえました。
ありがとう。
帰りは、浅草寺によって、写真とりながら帰ります、というと、ご主人出口まで、お見送りにいらして、いって、すぐ左手に曲がると、浅草寺の裏口ですからとおしえてくれました。
今日は、珍しく、お昼も満員です、とのことでしたが、入店から、出店まで、客はわたしだけ。独り占めでした、贅沢。