東京交響楽団の第658回 定期をききに、サントリーホールへ。
シベリウスのヴァイオリン協奏曲にブルックナーの交響曲 第4番という、長そうな組み合わせ。指揮のマーク・ウィグルスワースさんも、ヴァイオリンのジェニファー・パイクさんも、良く知らない人たちだ。
どんな風なんだべと、思ったが、前半のシベリウスのヴァイオリン協奏曲、細身の長身のパイクさんがでてきて、非常に女性的なヴァイオリンの音色で、優美に弾き進む。
ヴァイオリンは、1708年マッテオ・ゴフリラーなんだそう(知らないけれど、Aクラスの製作家で、チェロが特にいいらしく、カザルスが使ったとか)。輝かしさはあまりないけど、しみじみ、落ち着いていて、良い音ではあったかな。
でも、シベリウスのヴァイオリン協奏曲、あの「凍れる炎」はほとんど感じられない。奥さんも、随分まったりした演奏ねえ、と驚いていた。
いっぽう、ウィグルスワースさんはかなり積極的に鳴らす。ただ、北欧っぽい、霧がかかったようなサウンドはあまり聞こえず、管より弦主体でメロディックな感じ。なんか、かわった、シベリウスでした。
後半、ブルックナー:交響曲 第4番。
これも、ひどく変わったブルックナーだった。1888年版/2004年コーストヴェット校訂版というやつらしく、いわゆる「レーヴェ改竄版」(改竄は誹謗ってことのようです)なんだそう。そのせいなのか、そればかりでもないように思うが、ブルックナーとしては、ひどく聴きやすい曲にきこえる。なにしろ、メロディラインがいやに、耳について、ブルックナーの深い和声が響いてこないのだ。
これも、すごく。かわった、ブルックナーだった。奥さん、この曲がすごくきれいなのがよく分かったと、おっしゃっていたので、ブルックナー嫌いなひとには、いいのかも。でも、ブルックナー信者さんたち、怒ってるんじゃなかろうか、と心配になりました。
まあ、たまには、こういう、変わった演奏もいいかもね、ということで、カサマイアのディナーにいくんで、そうそうに、サントリーホールを抜け出しました。
東京交響楽団 第658回 定期演奏会
Subscription Concert Series No.658
サントリーホール
2018年03月31日(土)18:00 開演 Twitter Facebook Google+
指揮:マーク・ウィグルスワース
ヴァイオリン:ジェニファー・パイク
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
ブルックナー:交響曲 第4番 変ホ長調 「ロマンティック」 WAB104
(1888年版/2004年コーストヴェット校訂版)