今日の蝶々夫人は、女流指揮者ケリー=リン・ウィルソン、演出栗山民也で、蝶々夫人が、アレクシア・ヴルガリドゥ、ピンカートンはミハイル・アガフォノフ、シャープレス甲斐栄次郎、スズキ大林智子、管弦楽東京交響楽団という陣容だった。
NNTTの蝶々夫人は、随分前、栗山昌良の古典的な演出のやつを見たことがあるが、栗山民也演出は初めて。現代化、省予算化?の演出だが、これはこれで、いいのかな。アメリカ国旗と、最後の幕切れの強烈なライトアップは、蛇足と思ったけれど。
ケリー=リン・ウィルソンの指揮は、イタリア感はないものの、きめ細かく、叙情性を感じさせるもので、なかなか楽しめた。
蝶々夫人のアレクシア・ヴルガリドゥも、細身の美人な蝶々さんで、声も高音が美しく伸びて、ドラマティコの感じではないものの、とてもよいかんじ。
ミハイル・アガフォノフのピンカートンは、少し、鈍重で、ピンカートンはもっとお気楽な感じの、そして、まれびと・誘惑者としての魔力をそなえたテノールじゃないと、蝶々夫人の悲劇がうすまってしまうよなぁ。
で、蝶々夫人、久しぶりに聞いたんだけれど、あまりに、かわいそうすぎて、見ていられない気分でした。1幕なんて、音楽が甘美に高揚すればするほど、結末を知る身にとっては、つらさがつのります。老齢化による感情の耐性の劣化があきらかでありました。
蝶々夫人、やはりプッチーニの傑作ですね。でも、ボエームみたいに、気楽にみられるものではないよなぁ。むごすぎるもの。
演奏には、満足しましたが、大雪の帰り道が心配なので、終演後の拍手は少し切り上げてでてきてしまったのが、心残りとなりました。
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