ヴォルフ=ディーター・ハウシルト/新日本フィルハーモニー交響楽団のシューベルト、交響曲第4番、ブルックナー交響曲第4番『ロマンティック』をききに、すみだトリフォニーホールにいく。
老齢化の進行により、切符を購入済みと思い込んでいたら、おでかけ寸前に、失念していたことが発覚、当日券をかうはめになる。おいおい。
電話で、切符の状況を確認すると、充分余裕がありますとのことでした。人気ないのかな。
で、ハウシルト、あまり、覚えがない人だったのだが、プログラムを読んでいたら、新生ゼンパーオパー杮落としの魔弾の射手を振ったらしい。それ、ぼくちんは、レザーディスク持ってるぞ。(おそろしく、ふるいなぁ、レザーディスクだってよ)。で、アーベントロートの弟子だとか。もしかすると、大物なのか、と半信半疑。
シューベルトの交響曲第4番は、弦が渋いよいおとをだしているなぁ、と思ったけれど、シューベルトでは中期なので、怖ろしい事にはなりません。
で、休憩後、ブルックナーの交響曲第4番が始まる。
なんだ、これは。
ホールに精霊が降りてきたのか、と思うような、すこぶるつきの演奏でした。
重心の低い、がっしりした、でも渋い美しさのある響きで、楽想の移り変わりが、自然な流露感にみちていて、納得の展開に聴こえてくる。(ふつう、ブルックナーでは、もうすこしごつごつしていて、いままで、あまり感じたことがないものだ)
金管のバランスも突出感がなく、いかにも自然。媚薬的な美しさがない日本の金管なので、(実演としてはまあいいんじゃないレベル)、そこそこの、陶酔感にとどまったのだけれど、これで、管が水準を超えて美感を湛えたものだったら、大変なことになっているんでは、と思わされました。新日フィル、やるじゃないですか、大ばけです。
交響曲第4番は、初稿の方が、ロマンティッシュなさまよい感があって、2稿の非常に整理整頓された音楽より、個人的には好きなんですが、今日の交響曲第4番は、さすがに、傑作第5番のあとまで、手を加えていただけあって、すばらしい、出来栄えのものなんだと、初めて思いました。
ハウシルト、凄んごいお人です。呆然。
考えてみると、ブルックナーは、マタチッチも、ヨッフムも、チェリも、ヴァント(日本での異常な人気が不気味、大昔、聴いたケルン放響のレコードも、かなり硬質で、金管バリバリと印象も悪く、インバルの悪口言ってたらしいのも、狭量に思えたりで、聞きに行く気がおきませんでした。でも、晩年のCD聞いてみたら、なかなか、老熟していて、いい感じになっておったようです)も、実演できいたことがありません。
つまり、今日のハウシルトの交響曲第4番が、実演でのブルックナーのベスト・オブ・ベストということになりそうです。
知らないというのは、恐ろしい。ハウシルト、すでに、日本で5番、7番、8番、9番を振っているということなんで、ああ、どうしましょう。わたしが、ハウシルトのブルックナー後期を聴くことは、もう、かなわないんでしょうか。涙。
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