NNTTのカルメンに行く。 あまりまじめに聞いたことのないオペラだ。(実に、1999年のNNTT初登場、グスタフ・クーン指揮のカルメン以来だったみたい)
指揮のイヴ・アベルさんが、登場、拍手が終わるか終わらないうちに、激しい勢いで、序曲が始まる。(カルロス・クライバー流かねぇ)
第一幕 ドン・ホセのマッシモ・ジョルダーノさんが、まだ、調子が出ないみたいで、大丈夫かなぁと不安になる。
でも、ビゼーの音楽は、わかりやすい、魅力的なメロディのオンパレードで、フランス産のオペラとしては、頭抜けてるんだなぁ 、と感心。メリメの原作も、なかなか、優れもので、よくあるイタオペの荒唐無稽ものみたいな、馬鹿馬鹿しさが、全然ない。カルメンという、ファム・ファタールの魅力満載で、ほぼ、文学というクオリティ。
わたくし、精神的に打たれ弱いので、ファム・ファタールものには、凄く、苦手意識があるんだが、音楽が、こんなに素敵だと、うっかり、のめり込んでしまう。ビゼーって、天才なのね。くわばらくわばら。
第二幕 ガボール・ブレッツのエスカミーリョ登場。力のある美声で、かっこいい。奥さん、ホレボレ。ドン・ホセのマッシモ・ジョルダーノさんも少し調子が出てきたみたい。ミカエラの砂川涼子さん、声に力があって(強すぎるくらい)、立派なもん。
第三幕 ドン・ホセのマッシモ・ジョルダーノさん終幕ではじける。立派。カルメンのエレーナ・マクシモワさんは、一幕からずっと、調子をキープ。それなり。(妖艶なカルメンというより、カルメン・自由の女神的な高貴路線だったかな)
舞台もなかなか、豪華で、楽しめるできだった。
指揮の、イヴ・アベルさんは少しごり押し気味で、ヴェリズモ聴いてるみたい。確かにヴェリズモみたいな筋立てだけれど、ビゼーの音楽は、もう少し、豊かなニュアンスがあってもいいんじゃないだろうか。
おくさん、昔も、ストーカーがいたってことね、と、まっ正直なご感想。ま、カルメン、ファム・ファタール怖いけど、たまに、みるには、いいオペラでございました。
オペラ「カルメン」/ジョルジュ・ビゼー Carmen / Georges BIZET 全3幕〈フランス語上演/字幕付〉 オペラパレス
指 揮 イヴ・アベル
演 出 鵜山 仁
美 術 島 次郎
衣 裳 緒方規矩子
照 明 沢田祐二
キャスト
カルメン エレーナ・マクシモワ
ドン・ホセ マッシモ・ジョルダーノ
エスカミーリョ ガボール・ブレッツ
ミカエラ 砂川涼子
スニガ 妻屋秀和
モラレス 星野 淳
ダンカイロ 北川辰彦
レメンダード 村上公太
フラスキータ 日比野 幸
メルセデス 金子美香
合 唱 新国立劇場合唱団
児童合唱 TOKYO FM 少年合唱団
ダンサー 新国立劇場バレエ団
管弦楽 東京交響楽団
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