エッシェンバッハが振るブラームス/ピアノ協奏曲 第2番を聴きに、NHKホールへ。
第2番は、もしかするとブラームスで一番好きかもと思う曲、エッシェンバッハの指揮は、先週のマーラーが予想以上によかったので、楽しみである。
ピアニストのツィモン・バルトさんはどんなひとなのか、全く知りません。
プログラムによると教養溢れる知識人ぽい方らしい。
前半
ブラームス/ピアノ協奏曲 第2番
長身巨躯のバルトさん登場。いかにも大きな音が出そうで、これならブラームスでもオーケストラには負けないねという感じ。
でも、バルトさん、ひきぶりは迫力一辺倒ではなく、かなり細かな表情づけがあって、筋骨隆々の大きな音(本当は、もう少し厚みがあると嬉しかったんですけれど)とニュアンスに富んだ弱音の交換が際立つもの。
エスプレッシーボをとても大事にしていて、弱音を効かせたソットボーチェな表情なんか、ため息モノの美しい瞬間がある。
これは、エッシェンバハのバックもおなじ感じなので、ぴったり息があっていたということでしょう。
ただ、部分部分の表情の変化が細く、激しくて、ほとんど唐突という気がしてしまうぐらいです。
曲の大きな流れがぶつ切りになって、ブラームスのピアノ協奏曲2番、あの夢みるような時間の高まりに乗ることができず、曲に浸り込む邪魔をされてしまった気がしました。
エッシェンバハの指揮も同じような感じです。
美点はいっぱいあるものの、ブラームスのピアノ協奏曲 第2番を満喫とはなりませんでした。
それにN響、先週のマーラーと大違い、多少、低調気味のいつものような演奏です。
ホルンなんか、きっとエッシェンバハがもっともっとエスプレッシーボといっているのに応えようと一生懸命なんでしょうが、もう下手くそ、音自体に歌が足りないんだよね。まあ、ウィーンフィルじゃないもん、しょうがない、ということで、残念な出来でした。
(マーラーじゃあ頑張っていたのにどうしたんでしょうか)
後半
シェーンベルク編曲のピアノ四重奏曲 第1番という変わったもの。
どんな具合なのかしらと思いましたが、1、2、3楽章と聞いていくと、別に管弦楽でやらなくたっていいんじゃない、などと思ってしまいました。
でも、第4楽章に入ってから大豹変、ハンガリアン舞曲(「ジプシー風ロンド」)というわけですが、もうなんだかコサックの踊りみたい、効果満点、やたらとエキサイティング、スゲェ面白くて、ニヤニヤしちゃいました。
第1931回 定期公演 Cプログラム
2020年1月17日(金) 開場 6:00pm 開演 7:00pm
NHKホール
指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
ピアノ:ツィモン・バルト
ブラームス/ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83
ブラームス(シェーンベルク編)/ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 作品25
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