ヴァイグレがコロナをかいくぐって年末の第9を振るという。その最終公演が所沢のミューズ アークホールであるというので、出かけることに。
ホールに入ると、シューボックス型の随分かっこいいホールで、パイプ・オルガンが正面に鎮座している。
で、プログラムを眺めてみると、前半に
ベートーヴェン:《笛時計のための5つの小品》より「スケルツォ」「アレグロ」
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
という、オルガンガン曲があることに気付く。
このホールのパイプ・オルガン(サントリーと同じ、オーストリアのリーガー社とか)どんなんんかなと思い、三原麻里さんの演奏を聴いていると、かなり残響の豊かな温かみのある音がして、パイプオルガンを聴くにはよいホールのような気がしました。
後半
お目当ての
ヴァイグレ指揮、読売日本交響楽団のベートーヴェン 交響曲第9番。
ヴァイグレ、なかなかにシャープな切れ味で、気合がこもったよい演奏を聴かせてくれました。
それに、ベートーヴェンの第9って、年末はもちろんのこと、実演で聞いたことがほとんどなかったので、いやぁ~、なんだか、すげえいい曲じゃないと感心。いろいろ手が込んでいてとっても面白い。
あと、合唱がコロナ対応で40人の編成になったおかげで、マスの響きでなく、もっと純度の高い教会音楽的な美しさがあって、こういうのも、かえっていいんじゃないと思ったのでした。
独唱の日本人、バリトンの大沼徹さん、ソプラノの森谷真理ともども、なかなか、聴きごたえありでした。
たまに、第九を聴いてみるのも、いいもんです。
「読売日本交響楽団 ヴァイグレ指揮《第九》」公演
日 時 2020年12月27日(日) 14:15開場/15:00開演
会 場 アークホール
出 演 読売日本交響楽団
セバスティアン・ヴァイグレ[指揮]
森谷真理[ソプラノ]
ターニャ・A・バウムガルトナー[メゾ・ソプラノ]
AJ・グルッカート[テノール]
大沼徹[バリトン]
新国立劇場合唱団[合唱]
冨平恭平[合唱指揮]
三原麻里[オルガン]※出演決定
曲 目 〈オルガン独奏〉オルガン=三原麻里
ベートーヴェン:《笛時計のための5つの小品》より「スケルツォ」「アレグロ」
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」
所沢市民文化センター ミューズについては、
音響研究室便り『旅するタヌキ』https://www.mamianakobo.com/tetsutanu/
という面白いサイトで、こんな風に書かれていました。(抜粋)
首都圏では有数規模を誇るシューボックスコンサートホール。
「安普請の銘ホール」として、名をはせている
ある種「一点豪華主義・安普請」の好例と言っても過言ではない「ツボを得た」デザインの「迷ホール!」である。
オルガンはオーストリア・リーガー社製で国内でも有数の規模を誇っている。(...がオルガン以外には自慢できるものは何もない!)
コスト(手間暇)のかかる施工は一切(ほぼ?)行わずにひたすら可聴帯域内の定在波から逃げまくっている「迷ホール」と言える。
雰囲気を楽しむホールで、音響がどうのこうのには「目を瞑って」
音響拡散体による、溢れんばかりの残響に浸る「エコー浴」を楽しむための「巨大カラオケルーム」と考えたほうが良さそうである。
なかなか辛口ですが、パイプ・オルガンむきといってもあながち的外れではないのかな。
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