リヒャルト・シュトラウスの「ダナエの愛」をみに東京文化会館 大ホールへゆく。
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なんでも、舞台上演では、日本初演になるんだとか。二期会オペラって、昔の、あんまりいけていない印象があるので、積極的にはいかないんだが、リヒャルト・シュトラウスのオペラの舞台初演ということで、きいてみたいなぁと思ったのだ。
ギリシャ神話のダナエとミダス王のエピソードを組み合わせたストーリーで、幕開けに債権者がポルックス王のところにつめかけていたり、3幕で神々の噂話のエピソードがあったりで、なんかオッフェンバックみたいだし、終幕は、ワグナーみたいに人間の命の謳歌と神々の没落が示されたりで、いかにも、ホーフマンスタール好みの仕掛けになっている。(このプランは、台本作家のグレゴールが、ホーフマンスタールの原案とは別個に発想したそうです)
昔の二期会は、学芸会みたいだったけれど、いまや、なかなか立派なも舞台で、不足はない。歌い手も、それなりで、オペラとして楽しむのに問題のない水準である。
なかなかに面白かったといっていいオペラだったが、始めに黄金、黄金とうたっていたダナエが最後にミダスとの愛を歌い上げるに至るその変容が、ジジイのわたくしにはいまいちなっとくできないところが残る。
でも、終幕でダナエが妊娠したおなかをユピテルにみせつけたり、黄金のバラが生花のばらに変わったり(なんかタンホイザー)、それなりの幕切れで、充分以上に、楽しませていただきました。
あと、ひさしぶりに聴いたミダスの福井 敬さん、やっぱり、いい声でございます。
東京二期会オペラ劇場 R.シュトラウス:歌劇『ダナエの愛』
日時 10月2日(金) 18:30開演(17:30開場)
演目 リヒャルト・シュトラウス:歌劇『ダナエの愛』全3幕 (舞台上演日本初演)
日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演
原案:フーゴ・フォン・ホフマンスタール
台本:ヨーゼフ・グレゴール
指揮 準・メルクル
演出 深作健太
出演 ユピテル:小森輝彦
メルクール:児玉和弘
ポルックス:村上公太
ダナエ:林 正子
クサンテ:平井香織
ミダス:福井 敬
セメーレ:山口清子
オイローパ:澤村翔子
アルクメーネ:磯地美樹
レーダ:与田朝子
4人の王&4人の衛兵:前川健生、鹿野浩史、杉浦隆大、松井永太郎
合唱 二期会合唱団
管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団
合唱指揮 角田鋼亮(音楽アシスタント)
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