3月は遊び過ぎのようだが、いそがしい、いそがしい、といいつつ、ふるさとから帰った翌日、一人でNNTTのコルンゴルト「死の都」にでかける。
後期ロマン派の傑作とかで、気になっていたオペラだし、コルンゴルトなら、わからんちんなことにはなるまいと思ったのだ。
ただ、老齢に鞭打つ忙しさのせいで、体調は絶不調、ジジイにはつらいオペラ見物となってしまった。
カスパー・ホルテンの演出は、全体が白日夢の中で生起する出来事であることを、明確にするもので、部屋はパウルの閉じこもりの空間として、造型されていて、大変、解説のいきとどいたものだ。
黙役のマリ―の存在も、この部屋に偏在するマリーを、あからさまにしていて、ま、すげぇ、わかりやすく、わたしのような、素人向きとなっている。
窓の外にひろがるブルージェの街が、ヨーロッパ人には、どういう、イメージで語られているものなのか、知識をもたないので、いまいち、深い読み込みができないのは、もどかしいところだ。
しかし、ユリエッテ、リュシエンヌ、ガストン/ヴィクトリン、アルバート伯爵が、パウルのベッドから、湧き出して、乱痴気騒ぎをはじめる、など、アニメ的展開で、面白さ倍増といったところ。
ここで、ピエロが歌う、イタリア風のアリアの美しいこと、ばらの騎士の歌手を思い出してしまう。一種の定形なのかな。小原啓楼さんでしょうか(大間違い、フリッツだからアントン・ケレミチェフなのよね、体調不良なんで許して、と言い訳)、歌い手もすこぶるよかった。
ここで、ピエロが歌う、イタリア風のアリアの美しいこと、ばらの騎士の歌手を思い出してしまう。一種の定形なのかな。
パウルのトルステン・ケールは健闘、マリエッタ/マリ―のミーガン・ミラーは熱演、ヤロスラフ・キズリンクの指揮は過不足なしといったところか。
体調不良ゆえ、まともな判断はできかねますが。
体調不良ゆえ、まともな判断はできかねますが。
作曲当時、コルンゴルトは23歳だったそう。いかにも天才少年らしく達者なもんだが、パウルの死者の世界から生者の世界への蘇えりを実感させる音楽かといえば、違うような。
もともと、それはつけたりで、興味がなかったということかもしらんが、そうであると、音楽に死者の世界の腐臭が足りないような気もする。
全体に、音楽がわかりやすすぎて、未知の世界に連れて行ってくれないような感じがするのだ。
じゃあ、おまえの愛するプッチーニはどうなのよ、といわれれば、エヘヘというしかないんだが。
(だって、プッチーニには、もっと、野蛮で、えげつない、力があるでしょうが。イタリアだもの)
(だって、プッチーニには、もっと、野蛮で、えげつない、力があるでしょうが。イタリアだもの)
でも、なかなか、面白かった、といってもよさそうです。こんなに、わかりやすいオペラなら、奥さんも連れてくればよかったよ。
【指揮】ヤロスラフ・キズリンク
【演出】カスパー・ホルテン
<出演>
【パウル】トルステン・ケール
【マリエッタ/マリ―の声】ミーガン・ミラー
【演出】カスパー・ホルテン
<出演>
【パウル】トルステン・ケール
【マリエッタ/マリ―の声】ミーガン・ミラー
【マリ― 黙役】エマ・ハワード
【フランク/フリッツ】アントン・ケレミチェフ
【ブリギッタ】山下牧子
【ユリエッテ】平井香織
【リュシエンヌ】小野美咲
【ガストン/ヴィクトリン】小原啓楼
【アルバート伯爵】糸賀修平
【合唱】新国立劇場合唱団
【児童合唱】世田谷ジュニア合唱団
【管弦楽】東京交響楽団 こういうやつには東響はいいよね
【フランク/フリッツ】アントン・ケレミチェフ
【ブリギッタ】山下牧子
【ユリエッテ】平井香織
【リュシエンヌ】小野美咲
【ガストン/ヴィクトリン】小原啓楼
【アルバート伯爵】糸賀修平
【合唱】新国立劇場合唱団
【児童合唱】世田谷ジュニア合唱団
【管弦楽】東京交響楽団 こういうやつには東響はいいよね
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