新国立のタンホイザーにいく。音楽が美味しくて文句がつけようのないのはローエングリンと双璧ということで、大変楽しみ。
ハンス=ペーター・レーマンさんの演出は、2013年にみたことがあるんだが、ほとんど憶えておらず、きっと、漫然と、美味しい音楽だなぁときいていただけのようだ。
アッシャー・フィッシュさんの指揮、かなりゆったりとした入りで、うねるというより、すっきりした鳴りよう。で、でかく鳴らすときは思いっきてでかくやっていました。
出だしの序曲、ヴェーヌスベルクのバレーの情景が展開、でも、ほとんどエロティクな過剰はなく、あとで出てくるヴェーヌスも古代の神様らしい上品な感じで、この演出は、そういうことなのねと思いましたです。
タンホイザーのトルステン・ケールさん、ヘルデンテノールとして大活躍の方らしいんですが、ちょっと、声が透明で、明るい感じ。さらに、最初は、不調気味か。(3幕のローマ語りは、きちんとしてました)
ヴォルフラムのローマン・トレーケルさん、見た目は、ヴォルフラムらしいんですが、声は、もう少し伸びやかに美しいと、さらに聴き映えがしたような。(悪いとは言いません。)
エリーザベトのリエネ・キンチャさん、一人図抜けて美しい歌声。おそらく、絶好調ではないんでしょうが、ほかの歌い手を寄せ付けない、素晴らしさでした。
牧童の吉原圭子さんも、なかなかです。
ということで、特に、大興奮の公演とはなりませんでしたが、見やすく、わかりやすい出来栄えだったと思います。
まあ、音楽で、お腹一杯。最後に、タンホイザーが救われちゃうなんて、とても納得いきませんが、あの終幕のワグナーの音楽を聴いたら、神の恩寵に涙せざるをえなくなってしまいます。グスン。
そこが、パルシファルと違うところだよなぁ。さすがの、ワグナーでも、パルシファルの最後では、クンドリーのひきおこす深い業障を救い出す音楽がかけているとは思えないもの。
タンホイザーのいいところは、壮年期のワグナーの力が横溢しているところだよね。
オペラ/リヒャルト・ワーグナー
Tannhäuser / Richard WAGNER
全3幕〈ドイツ語上演/字幕付〉
オペラパレス
2019年1月30日(水)14:00
予定上演時間:約4時間15分(休憩含む)
スタッフ
指揮 アッシャー・フィッシュ
演出 ハンス=ペーター・レーマン
美術・衣裳 オラフ・ツォンベック
照明 立田雄士
振付 メメット・バルカン
(指揮)アッシャー・フィッシュ
(演出)ハンス=ペーター・レーマン
キャスト
領主ヘルマン 妻屋秀和
タンホイザー トルステン・ケール
ヴォルフラム ローマン・トレーケル
ヴァルター 鈴木 准
ビーテロルフ 萩原 潤
ハインリヒ 与儀 巧
ラインマル 大塚博章
エリーザベト リエネ・キンチャ
ヴェーヌス アレクサンドラ・ペーターザマー
牧童 吉原圭子
合唱 新国立劇場合唱団
バレエ 新国立劇場バレエ団
管弦楽 東京交響楽団
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