2017-11-12

指揮: ヘルベルト・ブロムシュテット ヴァイオリン: レオニダス・カヴァコス  ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団  メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲  ブルックナー:交響曲第7番 @サントリーホール

色々の諸事情に伴い致し方なく、¥32000なりS券の当日券をゲット。嬉しいような泣きたいような、複雑な気持ちでありましたが、窓口で受け取ったシートは、なんと、1階15列の左という、なかなか素晴らしい席。招待客が来なかったとかなんかしら、残り物に福があったということみたい。1列まえの中央には、小泉前首相までいらっしゃいました。(音楽会でみかけたのは久しぶりかな。わたし、近頃、オーケストラの来日公演なんて来ないからねえ)

前半、
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64。積極的に聴こうという気にならない曲ですが、きょうの演奏は、なんともびっくりさせるものでした。

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が、こんなに、真に魂の奥からロマンテックな曲だということを初めて知った思いです。曲も極めて構築的に出来ているのがよくわかって、すごい才能なんだと、感服しました。

1楽章と2楽章は続けて演奏(ハッとするほど、素敵な展開、ロマンティッシュ!!)。3楽章もほんの一呼吸で始まりました。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、まじめに聞いたことがないので知らないんですが、これって、よくあることなのかしら。 

3楽章はお祭りふうなので、まあ、それなりの終わり方ではあったのですが、レオニダス・カヴァコスの弱音の魅力満載、ブロムシュテットのバックは、もう交響曲みたいで、すごいできでした。

ライプツィヒ・ゲヴァントハウスも、メンデルスゾーンはドイツの魂よみたいに鳴っていてさすがであります。コンマスが横浜とは違う小柄なひとで、全身を使って弾くタイプなのが印象的。

アンコールは、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番第3曲 ガヴォット

後半、おまちかねのブルックナー、交響曲第7番。
やはり、ブロムシュテットは枯れた音楽とは無縁でした。すごい気合で、がっちり、曲を組みあげてゆきます。第二楽章の深い響きなんか、溜め息ものでありました。

これ以上のブルックナーがあるとしたら、ドレスデン・シュターツカペレとか、ウィーン・フィルみたいな、媚薬的な音をもったオーケストラでないと無理なんでは、と思わされます。

ゲヴァントハウスは、やはり、美音系のオーケストラとは少し違います。(必要十分に美しい音で、おそらく、アーベントロートとかコンビィチュニーのころとは、随分違って、現代的になっているんでしょう。シャイー以降、大変化という話のようです)

びっくりの小話をちょっと。最終楽章の終盤にはいったころ、第二ヴァイオリンのセコンドの女性が、弓をとりおとしちゃったこと。大勢に影響なしですが、よっぽど気分よく弾いていたのかしら。弦の奏者が、弓を落としたのを見たのは、30年以上前の東文でチェロの安田謙一郎さんの時以来だなあ。

いずれにしろ、大満足、気分よく、サントリーホールをあとにしたのでした。
 
 

2017年11月12日 (日) 15:00 開演 (14:30 開場)
会場 サントリーホール
出演
オーケストラ: ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
指揮: ヘルベルト・ブロムシュテット
ヴァイオリン: レオニダス・カヴァコス

プログラム
メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノーヴァク版)

2017-11-11

CASA MALLA カサマイヤ カタルーニャ料理 @町田市玉川学園 その33

もし、演奏日を間違えて曲目重複が判明した切符が売れなかったら、今日、また、ブロムシュテットがのシューベルトを聴きに行くことになる。なんか、悔の残るような気がするので、景気づけに予約ができたら帰りに行こうと、カサマイヤにお電話。無事、6時半の予約をゲット。

まあ、なんとか、切符の譲り渡しが出来たので、山種美術館の「没後60年記念 川合玉堂 - 古きよき日本の風景 -」展で時間をつぶして、カサマイヤへ。

かけつけの、プレモル生ビールを一杯。

赤はシェフ紹介の、Conde de Siruela Reserva 2009
タンニンがきちんとあって、落ち着いたワイン。おいしい

ツルクビカボチャのスープ
鶏レバーとプルーンのテリーヌ 焼いたパン
秋刀魚のマリネとサラダ(ニンジン、ムラサキダイコンほか)
タラのブランダーダ サトイモをしいて
キノコとカニほかのパエーリャ 美味しいおだしが口中に
牛肉とレンズ豆の煮込み

リンゴのタルト
フラン

〆て、14000円と少し。今日も、ごちそうさん。

恵比寿のフォンダ サン ジョルディ (Fonda Sant Jordi)というお店を知っているかきくと、カタルーニャ人のシェフで1度来たことがあるそう。試しに行ってもいいのかな。

帰りに、お見送りのシェフから、12月は、クリスマス風のメニューなので、ご家族でとお誘いが。日程調整出来るかしら。


Conde de Siruela Reserva
コンデ・デ・シルエラ レゼルヴァ
生産地 Spain   Castilla y León   Ribera del Duero
生産者   Bodegas Frutos Villar (ボデガス・フルトス・ビジャル)
品種 Tempranillo (テンプラニーリョ)

濃厚なチェリーレッドの色調。チェリーを感じさせる果実の香りに、バルサミコ、バニラのニュアンスが現れます。
凝縮された熟した果実味、まろやかなタンニンが口中に広がり、上品かつ力強く、そして長い余韻がこのレセルバのレベルの高さを感じさせます。


カタルーニャ厨房 CASA MALLA カサマイヤ
042-851-7519
東京都町田市玉川学園2-1-29 グローリア玉川学園1F
12:00~14:00(L.O)(要予約)ランチ営業日 木・土・日・祝日
18:00~22:00(L.O)
定休日  月曜日、第1、第3火曜日
(月曜が祝日の場合は営業、翌日振替休)
土曜日のランチ営業を始めております

没後60年記念 川合玉堂 - 古きよき日本の風景 -  @山種美術館

切符の引き渡しも終えてので、カサマイアの食事までの時間調整で、山種美術館の没後60年記念 川合玉堂 - 古きよき日本の風景 -展 へ。

川合玉堂といえば、なんだか、ザ・日本画みたいな、保守本流の風景画の印象が強い。尖ったところはないけれど、しみじみ、みていて、気分が良いということで、意外に好きな画家だ。

やっぱり、画のまえで、つくづく感じるのは、こういう風景画は、比喩というよりもっと直接的に、詩の精神が、基本にあって、成立するんだということだ。

画を眺めているのか、詩を読んでいるのか、わからない感じがしきりにするのだ。

興奮はないけれど、なかなかに良い時間だった。

なお、今回は、「特別展 没後60年記念 川合玉堂」1200円の冊子が売店にあって、スヴェニール愛好家のわたしをおおいに満足させてくれたのでした。



没後60年記念 川合玉堂 - 古きよき日本の風景 -
会期: 2017年10月28日(土)~12月24日(日)
*会期中、一部展示替えあり(前期: 10/28-11/26、後期: 11/28-12/24)
会場: 山種美術館
開館時間: 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日: 月曜日

主な出品作品: 約80点 (すべて川合玉堂筆) ※会期中、一部展示替えあり。
◆前期: 10/28-11/26、◇後期: 11/28-12/24、左記以外: 展示期間は記載のとおり、無記載は全期間展示。

《鵜飼》、 《渓山秋趣》、 《竹生嶋山》、 《石楠花》、 《春風春水》、 《松上双鶴》、 《山雨一過》、 《荒海》、 《早乙女》、 《渓雨紅樹》、 《高原入冬》、 《遠雷麦秋》、 《松竹梅》のうち「竹(東風)」◆他(以上 山種美術館)、 《赤壁》(青梅市立美術館)
《写生画巻》、 《夏雨五位鷺図》、 《瀑布》、 《紅白梅》、 《花をいけて》他(以上 玉堂美術館)、
《宿雪》(日本芸術院)、 《家鴨図》[12/12-12/24]、 《深山濃霧》[11/28-12/10]、 《渓山四時図》◆(以上 東京国立博物館)、
《屋根草を刈る》(東京都)、《朝もや》◆、 《彩雨》◇、 《祝捷日》◆(以上 東京国立近代美術館)など

ブロムシュテット、ゲヴァントハウスの切符騒動顛末記。もう嫌、末期症状、涙。

じじいになると、こんなことがおきるのである。

ブロムシュッテット、ゲヴァントハウス来日公演を知って、久方ぶりに海外オーケストラを聴きに行く気になる。

何しろ、今や、私の良く知る傑物指揮者はみなさん天国か地獄の住人で、超大物がメータ、大物がヤンソンスとかいわれても、馬鹿高い切符を買う気は全然、起こりません。

で、発売予定日に、パソコンに陣取って切符の予約に挑む。

無事、比較的安価な、横浜公演の券をゲット、やれ安心と思ったら、その日の演目は、シューベルトのグレイトなのに気づく。グレイト、超絶名曲だとは思うが、買いたかったのはブルックナーの方なのよ。

詮方ないので、又、パソコンにむかい、ようよう、11月12日のサントリーホール、ブルックナーの7番、B券、1階最後部だが比較的いい位置の席 を確保(主観的にはってことでした)、まあ、しょうないね、と思って、11月の公演日を待つことにあいなった。

さて、11月。間違えて買っちまった9日の横浜公演、ブラームス・シューベルトは大満足。吉であります。(なんだか、意外と、空席ありでした。このときは、お気楽に、12日のブルックナーにあつまっちゃったんかしら、おいらも、行くもんねと、余裕の発言)

まあ、幸運だったと思うことにしようと、翌10日、機嫌よく次のサントリー公演の切符をみていると(普通、前々日に切符確認なんてしたことはない。出かける前にやっとですよ。天からのお告げなんでしょうか?)、公演日が11日になっている。はて、どういうことだべと、確認してみると、その日は、サントリーホールでも、横浜で聴いたシューベルトとおんなじ演目であることが判明する。まあ、何処かのお馬鹿が、間違って買ったんだわな、号泣。

はて、どうすべい、と色々、煩悶。と言っても、為すすべはないので、11日のサントリー、シューベルトに、また、行くしかないと、覚悟を決める。

で、ネットを見ると、12日のブルックナーは当日渡しのS券がまだある、もう毒皿ね、ということで、ポチしたのであります。でも、どんな席かもわからない。馬鹿高いS券とかいっても、ひどい席はひどいもんなぁ、とつい泣きをいれたくなる。ということで、ブルックナーについては、ひとまず、弥縫対策終了。

でも、同じ公演を複数回通い詰めるなんて、ミラノやウィーンのオペラがクライバーと来た時ぐらい、いくら、ブロム・ゲヴァントハウスだって そりゃないぜよと思う。

そのうち、チケットキャンプという、切符売買のサイトがあるのを思い出す。で、駄目もと、めんどっちいけど、会員登録。手持ちの11日のB券を31%オフで売りに出してみることとする。

売れればよし、売れなければ、もう一度、シューベルト、ということで、11日に、サントリーホルヘでかける心積りをいたすことになった。

すると、10日の夕刻、落札のメールが届く。まあ、土砂降りの中、わずかに光がということで、11日、手渡しなので、予定どおり開場時間にお出かけ、しばし、購入者の到着を待つ。

なんとか、無事?取引を完了。ほんとは、チケットキャンプの完了手続きの方法がようわからず、買い手様にいろいろとお助けいただく。で、横浜公演とっても良かったですよ、楽しんでくださいね、とお愛想、任務が終了したのでした。

結局、チケットキャンプへの手数料等をふくめると、48%オフ、10000円弱の損金支出と相成りました。

これから、カサマイアで残念祝宴ディナーで、自分をお慰めすることとなっているので、それの費えといたすことになります。足りんがな。涙。

2017-11-09

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット ヴァイオリン:レオニダス・カヴァコス ブラームス ヴァイオリン協奏曲 シューベルト 交響曲「ザ・グレート」 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 @横浜みなとみらいホール

ヘルベルト・ブロムシュテットがライプツィヒ・ゲヴァントハウスと来るという。もう90歳だし、ブルックナーの交響曲第7番も振るらしい。これはやはり聴いておいた方がいいと、切符をゲットしたんだが、演奏日を間違えて、シューベルトの交響曲「ザ・グレート」のものを買ってしまった。

しょうがない、ブルックナーを別途手当てしなければならないが、シューベルトのグレートも大好きな曲だし、財布は痛むが、まあ、天の配剤ということにして、横浜みなとみらいホールへ。

前半は、
ブラームス ヴァイオリン協奏曲 
ヴァイオリンはレオニダス・カヴァコスという聴いたことのないひと

どんなもんだべという感じでしたが、
まあ、なんというか、バックがすごい、感涙物の響き。低声からがっしり鳴って、ああ、ドイツ音楽はこうでなくちゃ、という気にさせるもの。美しい弦。そして、さらに美しい素敵なオーボエ。
ヴァイオリンのレオニダス・カヴァコスさんも、細身の響きだが、あくまで、美しい歌い口。弱音なんか、もうすこしでポルタメントと思うくらいに気持ちがこもる。
前の2つの楽章にくらべて、ちょっと劣ると思っていた3楽章も、素晴らしいフィナーレになっていた。実演で聴いたブラームスのヴァイオリン協奏曲のなかでは、ベストじゃあないでしょうか。

アンコ―ルは、バッハ、無伴奏パルティータ2番3楽章サラバンド、剛毅というタイプじゃなく、内面的で優しい響きのバッハでした。

後半、シューベルトの「ザ・グレート」。ブロムシュテット、90歳とは思えない、気力充実の演奏。フィナーレなんかすごい迫力でした。
まあ、ブロムなので、魔物が憑依するという感じにはあまりならないけれど(1942年12月8日のライヴ、フルトヴェングラー、ベルリン・フィルの『グレート』にこだわるんじゃないよ)、楷書で描かれた、微塵も枯れたところのない、圧倒されるようなシューベルト。

交響曲「ザ・グレート」といえば、ベーム、ウィーン・フィルの1975年3月19日の来日公演、NHKホール、彼方からの呼び声のように響いてきたホルンの音が、まだ、耳の底に残っている気がします。こういう、美化された記憶をこえるのは、やはり、なかなか難しい、それはいたしかたないところでしょう。

とはいえ、大満足の一夜でした。



2017/11/9(木)
会場:横浜みなとみらいホール 大ホール
19:00 開演 ( 18:20 開場 )

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ヴァイオリン:レオニダス・カヴァコス

ブラームス(ヴァイオリン協奏曲ニ長調)
シューベルト(交響曲第8番ハ長調「ザ・グレート」)

東林 (トウリン) @横浜中華街 その3

演奏会まえの腹ごしらえ、久しぶりに東林へ。4時半ころ店に行くと、アレ、閉まっている。店を覗くと、いつものサービスの男性が休んでいる。
何時開店?ときくと、5時からだそう。途中休みが入る営業時間になったみたい。しょうがないので、中華街をぶらつくことに。

折角だから、翠香園に行っておみやげの煎堆(ごまだんご)を仕入れようとすると、売り切れ。平日なんで、やる気ないんかいな。

違うお店でいいじゃないブー、という奥さんをなだめつつ時間調整、5時に入店する。

なんとなく、お店に元気がない。メニューを見ると、どうも簡素化している。むかしあった、エビのトマトソースとか牛肉もつ炒めなんかあるかきくと、今は、やっていないそう。

なんでも、おじいさんが亡くなって、店を小さくすることにしたんだそう。あれまあ、ショックであります。いまは、自家製麺がお勧めらしい。じゃあ、あの美味しかった「鮮魚の姿蒸し」もなくなっちゃったのときくと、ふつうはやらない、事前に予約があればできるかもと、心もとないおこたえが。

気を取り直して、注文。

イカとニンニクの芽の炒め 無化調だけど、塩が強いかしら
牛肉の牡蠣油炒め 野菜いっぱいで旨い
海老チャーハン パラパラ感はすくなめ

中生

〆て、5000円と少し。息子さんがやっているという料理は、昔どおり、優しい味でおいしいけれど、中華街に来て、麺中心の注文は寂しいので、使いかっては悪くなったかも。

困った、代わりのお店といっても、無化調なら、
一楽(広東・四川料理とか、謎です)、海南飯店(広東料理)、均元樓(日本人スタッフの広東料理、老舗)という大道り沿いの店か、比較的新しい翡翠楼(広東、四川の中間とか、はぁ?)、あとは有名大型店の聘珍樓横濱本店、萬珍樓、大珍樓本店(注文時申出)ぐらいみたい。

有望なのは、香港路の牡丹園(広東創作料理 不使用希望対応)か。でも、牡丹園、やっぱり注文時申出らしいし、ベイスターズ御用達しとかいう恐ろしいお話も。個室もなしらしいので、お祝い事には向かないかもなぁ。

どうしたもんじゃろ、でも、海鮮なら牡丹園らしいので(ただし、清蒸鮮魚が旨いという話は見かけない、それで得意が海鮮なのか?、味は濃い目で甘めという評、そういえば、そうだった記憶が)、一応、第一候補かなぁ、心配。

大道り沿いはいやだけど、思い切って、海南飯店にするか、ふうむ。



東林 (トウリン) 中華料理、飲茶・点心、北京料理
045-201-8255
〒231-0000  神奈川県横浜市中区山下町221
JR根岸線石川町駅から徒歩7分
営業時間 11:30~14:00(閉店)、17:00~21:00(閉店)、
土・日曜、祝日は11:30~21:00(閉店)
定休日 火曜(12月29~31日休)
平均予算 1800円(通常平均)

2017-11-06