2018-05-20

新国立劇場 開場20周年記念特別公演 オペラ「フィデリオ」 @NNTT

実演のフィデリオははじめて。ところが、演出はカタリーナ・ワーグナー。どうなってしまうんでせうか。始めは割とおとなしの感じでしたが、終幕にきて、まあ、予想どおりトンデモ演出が出現、期待どおりに、やらかしてくださいました。

お隣の座席にいたご婦人が、「おとなしいと思ってたら、やっぱり」とおっしゃたので、皆さん、そう思ったんでしょう。

レオノーレのリカルダ・メルベートさんが、あれは、地下の墓場に閉じ込められて、愛する二人が永遠の愛を確かめるアイーダと同じだみたいなことをいっていたけれど、まぁね。

やっぱり、作品と作曲者への愛情に欠けた演出なのは、間違いないような気がします。

現代人が、あの、終幕の棚ぼた式の救済劇を信じられないのはわかるけれど、舞台のできごとと音楽があんなに正反対に進行していくのは、ジョークとしか思えないもの。それに、いったん、牢から出てきた囚人たちが、また、檻の中に入っていくのは、どんなもんでしょう。冷笑的でさえ、ある感じ。

まあ、わたし、フィデリオへの思い入れはほとんどないので、笑ちゃいましたけれど。

帰りの初台駅のプラットホームで、初老の男性が、歩きながら「許せん」とはきすてて通り過ぎたのが、極めて、印象的でした。

新国立で珍しくブーを獲得したカタリーナ・ワーグナーさん、今日は、上機嫌で、祝杯をあげるんだろうなぁ。




新国立劇場 開場20周年記念特別公演
オペラ「フィデリオ」/ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
Fidelio / Ludwig van BEETHOVEN
全2幕〈ドイツ語上演/字幕付〉

2018年5月20日(日)14:00 オペラパレス 予定上演時間:約2時間45分 


<演奏>
演出:カタリーナ・ワーグナー
ドラマトゥルク:ダニエル・ウェーバー
美 術 : マルク・レーラー  
衣 裳 : トーマス・カイザー 
照 明 : クリスティアン・ケメトミュラー
舞台監督:村田健輔

ドン・フェルナンド:黒田博(バリトン)
ドン・ピツァロ:ミヒャエル・クプファー=ラデツキー(バリトン)
フロレスタン:ステファン・グールド(テノール)
レオノーレ:リカルダ・メルベート(ソプラノ)
ロッコ:妻屋秀和(バス)
マルツェリーネ:石橋栄実(ソプラノ)
ジャキーノ:鈴木准(テノール)
囚人1:片寄純也(テノール)
囚人2:大沼徹(バリトン)
合唱:新国立劇場合唱団(合唱指揮:三澤洋史)
管弦楽:東京交響楽団
指揮:飯守泰次郎

0 件のコメント:

コメントを投稿