東京・春・音楽祭の演奏会形式《エレクトラ》を聴きに、東京文化会館へ。
エレクトラはまだ20代のモーツァルティアンもどきだった私が、パリのオペラ座に行く機会を得て、日程上、上演していたのが「エレクトラ」だったので、R・シュトラウスのオペラって、なんだべなと思いながら見に行った演目だ。
延々と続く不協和音の大音響と、終幕近く復讐の成就に、ブリュンヒルデみたいなきわめて太目のソプラノが、身をよじらせて、踊る(トドが跳ねてるみたいだったが)のを目撃して、もう二度とR・シュトラウスは御免だと、決意した思い出のオペラだ。
で、今に至るまで、長らく、見に行く気にはなれなかったのだが、先日のサロメが、なかなか楽しかったので、これも意外と美味しいかもよ、と行く気になったのだ。
R・シュトラウスの「エレクトラ」、若いシュトラウスの才能が溢れ出るような、緻密で力感漲る密度の高い音楽が最後まで息もつかせず続いて、圧倒的にな濃密な時間を堪能させてくれました。
ヴァイグレさすが。水ももらさぬ明解な力演。シュトラウスだと、演奏会形式でオーケストラが舞台に上がっていても、ピッタリくる感じ。
読響も立派でした。ドイツ的響きというのではないが、オーケストラの機能が映える素敵な演奏。
歌手陣も粒が揃っていて聞き映えがしました。
エレクトラのエレーナ・パンクラトヴァ クリアな声で 終始きちんと歌い切っていて立派なもん。
クリソテミスのアリソン・オークス 美くしく若々しい豊かな声量には感心。
オレストのルネ・パーペも、1人だけ楽譜を見てたけれど、とってもいい声ですごかった。
藤村さんのクリテムネストラは、あのくらいは当然というところか。
ということで、聞き応えのあるオペラを十分に楽しむことができました。
東京・春・音楽祭2024 《エレクトラ》(演奏会形式/字幕付)(全1幕)
2024/4/21(日)
15:00 開演 ( 14:00 開場 )
会場:東京文化会館 大ホール (東京都)
上演時間:約1時間45分
指揮:セバスティアン・ヴァイグレ
エレクトラ(ソプラノ):エレーナ・パンクラトヴァ
クリテムネストラ(メゾ・ソプラノ):藤村実穂子
クリソテミス(ソプラノ):アリソン・オークス
エギスト(テノール):シュテファン・リューガマー
オレスト(バス):ルネ・パーペ
第1の侍女(メゾ・ソプラノ):中島郁子
第2の侍女(メゾ・ソプラノ):小泉詠子
第3の侍女(メゾ・ソプラノ):清水華澄
第4の侍女/裾持ちの侍女(ソプラノ):竹多倫子
第5の侍女/側仕えの侍女(ソプラノ):木下美穂子
侍女の頭(ソプラノ):北原瑠美
オレストの養育者/年老いた従者(バス・バリトン):加藤宏隆
若い従者(テノール):糸賀修平
[演奏]読売日本交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団
合唱指揮:冨平恭平
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