2018-09-06

没後50年 藤田嗣治展 @東京都美術館

没後50年 藤田嗣治展にいってみる。レオナール・フジタさんについては、あまり良い印象をもっていない。軽薄といったらなんだけど、腕はよくても中身がともなわないみたいな、強い偏見がある。
でも、第一印象の色眼鏡で食わず嫌いはいかんよなぁと反省、ほかに適当な時間潰しもないし、ということで、夕方近くに東京都美術館へ。遅い時間だからか、あまりこんではいなかった。

で、結論から言うと、なかなか、面白い見ものだった。作風がころころかわったりして、カメレオンみたい。

そして、全然知らなかった、南米の放浪時代の、プリミティブで荒れ果てた心象を感じさせる絵(なんで、この路線でいかなかったんだろう。心の負担に耐えられなかったのかしら)なんか、予想外だった。

晩年のカソリック改修の後の宗教画など、精神的な漂流者というか、結局、どこにも拠り所を見つけられなかった不幸が、こういう、辛い絵(やたら、明るく、装飾的)を描かせたんだろうと思うと、暗澹たる気持ちになる。

やっぱり、好きにはなれなかったけれど、ある意味得心のできる人物だった。それと、父親が陸軍軍医総監様だったとか、森鴎外とおんなじかい、とびっくり。妙な、類縁性を感じてしまった。



没後50年 藤田嗣治展
Foujita: A Retrospective ― Commemorating the 50th Anniversary of his Death

明治半ばの日本で生まれ、80年を超える人生の約半分をフランスで暮らし、晩年にはフランス国籍を取得して欧州の土となった画家・藤田嗣治(レオナール・フジタ 1886-1968)。2018年は、エコール・ド・パリの寵児のひとりであり、太平洋戦争期の作戦記録画でも知られる藤田が世を去って50年目にあたります。この節目に、日本はもとよりフランスを中心とした欧米の主要な美術館の協力を得て、画業の全貌を展覧する大回顧展を開催します。
本展覧会は、「風景画」「肖像画」「裸婦」「宗教画」などのテーマを設けて、最新の研究成果等も盛り込みながら、藤田芸術をとらえ直そうとする試みです。藤田の代名詞ともいえる「乳白色の下地」による裸婦の代表作、初来日となる作品やこれまで紹介されることの少なかった作品も展示されるなど、見どころが満載の展覧会です。
東京都美術館
〒110-0007
東京都台東区上野公園8-36
開館時間 : 9:30~17:30(入館は17:00まで)
※特別展開催中の金曜日:9:30~20:00
休館日 : 毎月第1・3月曜日(祝休日の場合は開館し、翌日休館)
※特別展・企画展:毎週月曜日休室(祝休日の場合は開室し、翌日休室)

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