2020-02-15

土曜ソワレシリーズ《女神との出逢い》 第287回 木嶋真優&イリヤ・ラシュコフスキー ヴァイオリン&ピアノ デュオ・リサイタル @フィリアホール 横浜市青葉区民文化センター

なんだか、木嶋真優さんというヴァイオリニストが人気らしい(ブルッフ聴いたことあるみたい)。ということで、フィリアホールの土曜ソワレシリーズ《女神との出逢い》というコンサートにいってみる。

1曲目
シューマン:幻想小曲集Op.73
木嶋真優さん、うすピンクのあでやかな衣装で登場。
シューマンぽい、なかなか素敵な曲。木嶋真優のヴァイオリン、中音が美しく、あまり線が細い感じがなくって、メゾソプラノを聴いているみたい。シューマンにぴったりです。
(Antonio tradivari 699「walner」だそう、前聴いたときはは同じストラド1700年製 Ex Petri だったみたい

イリヤ・ラシュコフスキーさんのピアノもクリアというより、肉厚な音で、ヴァイオリンと相性がよい感じであります。

2曲目
イリヤ・ラシュコフスキーのピアノ・ソロで、
シューマン:アラベスク ハ長調 Op.18

なんというか、温かみのある内省的な音がして、こういう内にこもったインティメイトな響きって、シューマンにはよくあうなぁ思う。あまり知らない人だけれど、思ったよりとてもいいピアノにストみたい。

3曲目
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
木嶋真優さん、今度は水色のドレスで登場。曲に合わせてるんかいな。

温かみのあるしっとり感の漂う音で、神秘的な情感が美しく流れて、ヴァイオリンの輝かしさより、じっくりと聴かせてくれる感じであります。

こういう演奏を聞くと、だいぶ前にミクローシュ・ペレーニがフランクをチェロ・ソナタでやるというプログラムがあったのを聴きにいったら、シューベルトのアルペジョーネに変わちゃったを思い出して、チェロ版が聴きたかったなぁと思ってしまいました。あれは、やはり、このフィリアホールだったなぁ。

休憩後
プロコフィエフ。
木嶋真優さん、白にオレンジの横縞のドレスです。うむうむ、プロコですなぁ。
4曲目
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲(l.バイチ、M.フレッツベルガー編とか)

極めて演奏効果の高いプロコっぽい曲を楽しげに弾いてくれた。こういうやつだと、何にも考えず面白がっていればいいので、ラクチンである。ブラヴィ。

5曲目
ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調

おお、まさにプロコフィエフだねという、演奏効果満点の曲。娯楽としては100点満点
、プロコの生きた時代を思い出したりしなければ、なんの問題もないんだけれど。

で、今日この素敵な演奏を聞いていて、「遊びをせんとや生れけむ」、という梁塵秘抄の今様を思い浮かべてしまいました。

プロコフィエフ、あの時代に生まれてさえいなければ、どんなにかよかっただろうになどというわけのわからん感慨にひたったのであります。


アンコールは
グラズノフ 瞑想曲 op.32 とっても、ロマンティックな曲を美しく。
さらに
ファリャ「はかなき人生」よりスペイン舞曲もサービス。鮮やかなもんです。

いやぁ、木嶋真優さん、バカテクということではないけれど、想像以上に、なかなか楽しい演奏会でした。




土曜ソワレシリーズ《女神との出逢い》  第287回
木嶋真優&イリヤ・ラシュコフスキー
ヴァイオリン&ピアノ デュオ・リサイタル
Mayu Kishima& Ilya Rashkovskiy Violin&Piano Duo Recital

プログラムProgramme
シューマン:幻想小曲集Op.73
R.Schumann: Fantasiestücke, Op.73
シューマン:アラベスク ハ長調 Op.18 ◎ピアノ・ソロ
R.Schumann: Arabeske in C Major, Op.18
フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
C.Franck: Violin Sonata in A Major

---休憩 intermission---
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲
S.Prokofiev: Suite from “Romeo and Juliet”
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ長調 op.94bis
S.Prokofiev: Violin Sonata No.2 in D Major, op.94bis

公演時間 Duration: 120分 休憩 Intermission: あり(20分)

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