2019-01-12

指揮=山田 和樹  ピアノ=ホアキン・アチュカロ ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ ピアノ協奏曲 ト長調 リムスキー=コルサコフ:「シェエラザード」 @東京芸術劇場

読響土曜マチネーシリーズ 第213回にいく。
ラヴェルの高雅で感傷的なワルツとピアノ協奏曲 ト長調に、リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」という、お正月に聞くによさそうな演目だし、指揮は、このごろ少しご無沙汰の山田和樹さんなので、聴いてみたくなったのだ。

リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」といえば、遠い昔の学生時代、いまはなき新宿厚生年金会館で、若手バリバリの小澤征爾さんと、当時売り出しのピアニスト井上直幸さんがモーツァルトのピアノ協奏曲、たしか、21番??をやるというので、モーツァルト教入信仲間の友人とききにでかけたおり、後半の演目が、「シェエラザード」。

で、頭が沸いた坊やたちらしく、なんで、ロシア5人組のへぼい曲聴かなきゃいかんのよということで、会場から、逃げ出したという、トンデモのエピソードをもつ曲である。

まあ、その後、十分改心はしたものの、「シェエラザード」はあまり積極的に聞くタイプの曲ではやはりない。

ところが、さきごろ、フェドセーエフのダッタン人の踊りをきいていて、リムスキー=コルサコフって、案外おもしろい曲書くんだなぁなどと、思ったりしてしまったことがある。

そんなおりしも、今年の年初めには、
1月 12日に山田和樹、読響
1月 19日にソヒエフ、N響 
1月 23日にバッティストゥーニ、東フィル

私の注目株たち(ソヒエフはちょっと大物)がシェエラザードを振ると判明。
何かの曲を実演で聴き比べ大会するなんて、いままでやったことはないんだが、できるじゃないなどと、変な思い付きにはまってしまったのだ。(なんだか、ほかにも、あったようだけれど、3回行けばもう、いっぱいいっぱいであります)

で、今日が、その、第1回目ということになるわけだ。

まずは。前半
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
柔らかく伸びやかな美しい音で、ワルツが流れ始めます。ああ、そうだ、これが、山田さんの音だよね。ほんと、魅力的。

つぎが、
ホアキン・アチュカロさん(スペインの巨匠らしい)のピアノで、ト長調のピアノ協奏曲。変にきらきらしいあざとさのまったくない、上品な大人のラヴェル。ラヴェルって、ほんと、素敵な曲を書くよなぁ。印象派とかいってもドビュッシーとは全然違う。

凡人のわたしは、無傷の超天才、ドビュッシーより、結局、精神が病んじゃっうことになっても、内面をひきずっているラヴェルが好きだなぁ。

アンコールは、左手だけで弾くの夢見るような素敵な曲でした。
(左手のための2つの小品Op.9「ノクターン」スクリャビンですと。スクリャビンにこんな良い曲があるなんてびっくり。最初期のやつらしく、まともです。)

後半、いよいよ、「シェエラザード」。山田和樹さんは、やはり、生き生きした、瑞々しい指揮ぶり。音が、明るく、尖っていなくて、気分がいい。あざとくないのが、和樹さんらしいところなのだろう。

十分満足したけれど、「シェエラザード」はやはり「シェエラザード」。リヒャルト・シュトラウスのような満腹感はないよね。

作曲家それぞれだもの、あたりまえじゃ。くだらん、こといってても、なんにもならんぞ。しょうがないなぁ。

オーケストラにもアンコールがあって、アザラシビリ「ノクターン」をやったみたいですが、はやばや、会場をでてきてしまって、ききそびれました。ちと、残念。

そういえば、演奏前のロビーで、お正月っぽく和装できめた初老のご婦人が、ホールの案内の女性に携帯をわたして、写真を撮ってもらっているのに遭遇。正面と、帯の背中の2カット。ほっこりいたしましたです。




読響土曜マチネーシリーズ 第213回
2019/1/12(土)13:00 開場 14:00開演
東京芸術劇場 コンサートホール (東京都)

指揮=山田 和樹 
ピアノ=ホアキン・アチュカロ

ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」 作品35

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