南さん、今日は黒のシックなドレスで登場。花の装飾が右肩についている。「春」をやるからかなぁ。こういう楽しみがあるのが、女性奏者のいいところか。
会場の入りも、曲がいいからか、土曜だからか、昨日よりはかなり多い。まあ、コロナだからやっぱり空席も大分あるけれど。
第1曲目 第4番 イ短調
最初期のヴァイオリン・ソナタとちがって、もう、ヴァイオリンとピアノが対等に対峙していて、かなり充実した音楽。
正直、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタってそんなに熱心に聞いたことはないんだけれど、これくらいになると、かなりききごたえがある。南紫音さんも、ベストフォームといっていいんじゃないかなぁ。
第2曲目 第5番 「春」。前期ソナタのベストだよね。正直、ベートーヴェンが突然乙女チックになって、美しく歌いだすので、唖然とする感じ。
わたくしのようなベートーベンちょっと苦手派には、ベストに近い曲であります。
ということで、注文も大きくなって、「SPRING」の場合は、ベートーベンっぽく立派な演奏よりも、パールマンみたいな美音で悩殺というのがやはり好きなんだなぁ。
南紫音さんの音は清潔で、美しいけれど、艶っぽさ、とか、「SPRING」っぽい飛翔感なんかがもっとほしいなぁと、望外の甘え心が起きてしまいます。まあ、ただのミーハーの感想ですが。
休憩後
最後のヴァイオリン・ソナタ第10番。やっぱり、もう少しで、後期になりそうな時期の曲なので、なかなかに、えもいわれない、奥行きのあり響きがします。
後期に近い作品になると、南紫音さんすごく意欲的に弾いているれど、陰影というか、響きの奥深さというか、少し足りないかもしれません。
後期になると、ドイツっぽい厚ぼったい音がいるのかもしれません。でも、この第10番、かなリ、いい曲じゃないかと思いました。
あと、清水和音さんのピアノですが、正直美音というのとは違って、肉厚の響きがするので、南紫音さんの少し線のほそい綺麗なヴァイオリンと相性ががいいかは、??かもしれません。
まあ、ベートーヴェンなので、肉厚の深い響き自体は、それっぽいのかもしれません。
会場で、清水さんの音が大きすぎるといっていたおばちゃんがいましたが、バランスということじゃなくて、音の質もあるし、さらに、ブルーローズの低い天井の問題かなぁとは思いました。で、結局、清水和音さんの真価はわからず、っていう感じかしら。
とはいえ、文句いろいろ言ましたが、十分に楽しめる、気持ちのよい演奏会でした。
それと、例の御大、2日目もいらしてました。南紫音さん好きなんかしら。
公演名:ベートーヴェン)ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会
【日時】 2020年12月05日 (土) 13:30 会場 / 14:00 開演--15:45
【会場】 サントリーホール ブルーローズ
【出演】 ピアノ:清水和音
【曲目】 L. v. ベートーヴェン
ヴァイオリン・ソナタ第4番 イ短調 op.23
ヴァイオリン・ソナタ第5番 へ長調 op.24「春」
ヴァイオリン・ソナタ第10番 ト長調 op.96
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