3日目
南さん渋いゴールドのドレスで登場。今日は最終日、のっけから、気迫を一番感じたコンサートでした。
最初は、1番 ニ長調ですが、本当に立派な曲。
ベートーベンが渾身の力を込めて書いたんだろうなぁと実感させるものだった。南さんの演奏もそれに触発されるように気合がこもっていて、非常に聴かせる演奏でした。
次の8番 ト長調もOP30の3番目ということもあるのか、OP30-1やOP30-2に比べてよく書けけてますなぁていう感じ。でも、1番 ニ長調 Op. 12-1の出来が良すぎるので、まあまあというところではないでしょうか。
後半「クロイツェル」。例のトルストイの小説で奥さんが浮気に走るきかけになるという超有名曲だけれど、正直あまりいい曲と思ったことはありません。
ところが、1楽章、2楽章と南さんの渾身の気迫を込めた演奏のせいか、これって、すげえ曲なんじゃねと思ちゃいました。
うちなるパトスがほとばしって、聴き惚れてしまいます。
でも3楽章に入って、曲のパワーが大幅ダウン。きっとこの楽章のせいで、いままで良いい印象がなかったんじゃあないかしら。言い訳。
3楽章って、おそらく、本来はエランみなぎる爆走がある楽章なんではと思うんですが 南さんの力不足なのかしら、でもそれだけでもないような気がしました。ベートーヴェンのせいだよ、きっと。
この第3楽章の十全な演奏って、誰のものがあるんだろうか、探してみようかな。
とはいえ、南紫音さんのベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会、ともかく全曲を実演で初めて聴いて良い体験になりました。
1番 5番 9番 10番あたりが、マイ・フェバリットみたいです。
最も好きなのはやはり5番の「春」だけれど 9番「クロイツェル」がもしかして1番の名作かも。ただし3楽章のすげえ演奏があるとしたらばという条件付きです。
10番はダークホース。潜在力はかなりのものみたいですが、弾く人を得ないとそれを実感するのは難しそうでありました。
まあ、私は結局ベートーベンがどうも苦手で、最後期のOP100前後くらいでないとあんまりピント来ないというのが実感なので、ヴァイオリン・ソナタにどハマりすることはなさそうです。とはいえ、南さんのベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会、なかなか楽しめました。
でも、コロナの今は、やっぱりバッハが聴きたいかも、と思ってしまったのでした。南さん、ごめんなさい。
南紫音 ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会
日時
2020年12月6日(日) 14:00開演 --15:45
会場
ブルーローズ(小ホール)
出演
ヴァイオリン:南紫音
ピアノ:清水和音
曲目
ベートーヴェン:
ヴァイオリン・ソナタ第1番 ニ長調 Op. 12-1
ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 Op. 30-3
ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 Op. 47 「クロイツェル」
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