日フィルの第244回芸劇シリーズに行く。
小菅優さんが、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番をやるいう。
小菅さんは東京交響楽団のモーツァルト・マチネなどを聴いて、かなり相性がいいので、ラフマニノフでもいけるといいなぁと思ったのだ。
カーチュン・ウォンさん、一度真央君のバックをしたのを聴いていて、いまいち、感心しなかったひとなのだが、今や、アジア系の若手指揮者のなかでも有望株らしい。その上、日フィルの主席客演指揮者に就任したとか。もう一度聴いて、確かめてみてもいいかなぁということになったわけです。
1曲目。 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
やはり小菅さんとは相性がいいみたい。バリテクで馬力のある感じではまるでないが、クリアな粒ダチのいい音で、快調にラフマニノフを聴かせてくれる。ラフマニノフらしい豪放な響きは、やっぱり女流なので期待するのが筋違いでしょう。
第3番ということで、ロマンティック優先というより、ちょっと印象派的なキラキラしたパッセージが小菅さんに向いている感じです。ウォンさんのバックも、明快で流れが良く、鳴らすときは思い切り鳴らして、過不足なし。なかなかに満足できるパフォーマンスでした。
休憩後 交響曲第2番。
ゆっくりしたテンポでじっくりと奏でる。腰ダメの大きな抑揚を効かせ、歌心たっぷりの演奏。メリハリも効いていて、鳴らすところは思いっきり鳴らす。
粘ったところはないが、情感はたっぷり。嗚呼、これがロマンティックていうことだよなぁと、とても充足感がある。ラフマニノフをたっぷりと満喫しました。
ラフマニノフがこんなに気持ちがいいのは、これほどロマンティックで感傷的ですらあるのに、自己憐憫的なイヤラシさががほとんどないからなんだろう。
カーチュン・ウォンの指揮も、妙に内に籠りすぎたところがないのが好印象。これは やはり、有望株と言われるだけはあるなぁと感心。今度はマーラーなんか聴きたいなぁと思いました。
日フィル第244回芸劇シリーズ
東京芸術劇場
指揮:カーチュン・ウォン[首席客演指揮者]
ピアノ:小菅優
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30 39~41分
ラフマニノフ:交響曲第2番 ホ短調 op.27 60分
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