2017-07-17

都響スペシャル 指揮/エリアフ・インバル  コントラルト/アンナ・ラーション *  テノール/ダニエル・キルヒ *   マーラー:交響詩《葬礼》 :大地の歌 * @東京芸術劇場コンサートホール

インバル/都響のマーラー:交響詩《葬礼》と大地の歌を聴きに、東京芸術劇場コンサートホールへ。

インバル/都響の第二次マーラー・チクルスを聞き終えた後の、番外の大ボーナスだった、クック補筆完成版の交響曲第10番に立ち会ったのが2014年の7月20日だから、それから、ほぼ3年が経過しているわけだ。

そして、インバル/都響での「大地の歌」(マーラー・チクルスのプレ・イベントだった前回の「大地の歌」は2012年3月29日だから、5年半も遡る。年をとるわけだ。)が聴けるなんて、なんて有り難いことでしょう。

気合をいれて、チケットをゲットしたので、1階11列目のほぼ中央という位置を確保。ここだと、歌い手が、かなり、間近かにみえる。東京芸術劇場ではいい席といえるのかはよく知らんけど。 

前半は、交響詩《葬礼》。2番の第1楽章の原型だそう。
インバル/都響の演奏がはじまる。もう、一昨日のノット/東響とは大違い。いい、わるいではなくて、音のたたずまいが別物です。

で、わたくしはというと、やはり、ジジイなので、この安定感のある響きがしっくりきます。そして、心のさざ波がそのまま形になったような、美しい音。

本当に自然な語り口で、必要な音が、必要な時に、必要な強さで流れでてくる。
あとは、響きに身を任せて、マーラーの心の襞を味わっているだけでよいのだ。

交響詩《葬礼》、2番とは、そう違っている訳ではないが、ところどころ、聞いたことがない枝葉の音型や、楽器の音がきこえてきて、少しだけ冗長ということなのかもしれない。

ただ、ブルックナーの4番みたいに、初稿と最終稿は別の曲ということではないものの、ある種、曲の生まれてくる原初の形が味わえる気がして、なかなか、魅力的な感じでありました。

休憩後、「大地の歌」。やはり、インバル/都響の響きは、しみじみと、心に染み入ってくる。歌い手は、コントラルト/アンナ・ラーション 、テノール/ダニエル・キルヒ。

ダニエル・キルヒ、一流の歌い手らしいけれど、青春のみずみずしい闊達さは薄かったかも。インバルが「大地の歌」は、マーラーが実演を聴いて修正できなかったので、歌い手とオーケストラのバランスが難しいというようなことをいっていたので、そのせいもあるかも。まあ、ルネ・コロみたいなテノールはそういるわけがないので、文句を言ったら、可哀想なんだろう。

アンナ・ラーションはなかなか、クリアー、克明で、くっきりした歌いぶりで、しみじみとした諦観というより、救済の明るみのようなものがある気がいたしました。

という感じでしたが、インバルの「大地」を満喫しました。

インバル、まだまだ、元気なようなので、今度は、是非、10番をもう一度聴きたいもんである。




都響スペシャル
[場所]    東京芸術劇場コンサートホール
開演時刻:14:00

    指揮/エリアフ・インバル
    コントラルト/アンナ・ラーション *
    テノール/ダニエル・キルヒ *
[曲目]
    マーラー:交響詩《葬礼》
    マーラー:大地の歌 *  



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